脳科学は宗教を解明できるか?

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393323403
  • NDC分類 160.4
  • Cコード C0014

出版社内容情報

脳科学は心を脳に還元し、神との合一や悟り体験まで解明してしまうのか? 脳科学や心の哲学を駆使し宗教の根源に迫る!

内容説明

神秘体験は側頭葉の「ゴッド・スポット」の異常興奮にすぎないのか。宗教や神の独自の領域は揺るがないのか。「宗教」概念の成立や、宗教と科学の対立の長い歴史、近年の心の哲学の展開をも視野に収めつつ、哲学者・宗教学者・禅僧・精神医学者など多様な分野の専門家がそれぞれの洞察を総合して、宗教の本質と現代的意義、そして人間の心の不思議をも問う。

目次

第1章 脳科学は宗教哲学に何をもたらしたか
第2章 脳科学や精神医学からみた宗教体験とその意味
第3章 「宗教体験の脳科学的解明」批判―虚妄分別を超えて
インタールード 宗教体験と脳科学の関係史
第4章 概念枠としての物質と心―思考不可能な場所からのまなざし
第5章 脳科学と宗教哲学を架橋する試み―エクルズとポパーの『自我と脳』再考

著者等紹介

芦名定道[アシナサダミチ]
1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、京都大学大学院文学研究科教授。1995年、日本宗教学会賞受賞

星川啓慈[ホシカワケイジ]
1956年生まれ。筑波大学大学院博士課程哲学・思想研究科単位取得退学。博士(文学)。現在、大正大学文学部教授

冲永宜司[オキナガタカシ]
1969年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、帝京大学文学部教授。2007年、日本宗教学会賞受賞

杉岡良彦[スギオカヨシヒコ]
1966年生まれ。京都府立医科大学卒、東海大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。現在、旭川医科大学医学部医学科講師

藤田一照[フジタイッショウ]
1954年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程中途退学。曹洞宗僧侶。現在、曹洞宗国際センター所長

松野智章[マツノトモアキ]
1971年生まれ。大正大学大学院文学研究科宗教学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。東洋大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青空ぽんちょ

1
難しかった・・ぼんやり瞑想状態の脳を科学的に解析するような内容かと思っていたけど、ガッツリ脳科学と宗教体験の歴史から対立まで専門的にガチ検証、ガチ議論する本だ。文体が読みずらくて途中何度も「禅問答」でも読んでるような気分になったが、ざっくりと科学は「客観」宗教体験は「主観」その間を繋ぐことは不可能だっていう構図がハッキリとしたのは収穫かな2016/01/07

飛燕

1
もし「心」「意識」が脳の活動から生まれたものに過ぎないとすれば。神秘的に見える「宗教体験」も脳が見せている風景になるのか、非物質的に思われた「心」も物質が生んだ物質的な実在に過ぎないのか。このような問いを立て、唯物論的脳科学の妥当性の検証、宗教哲学との架橋を論じる。論者のなかで医学専攻は一人だけ、あとはみな哲学・思想系で、ほぼ全員が唯物論的還元主義の脳科学に批判を浴びせており、一見すると公平性に欠ける。ただわたしも、脳科学は世界を説明する形式言語の一種だと思うし、そのように捉えておくのが健康的な気がする2013/07/24

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