内容説明

動物の肉は商品であり畜産は工業生産と変わらない。しかし動物も人と同じいのちを持つ。この矛盾をどう引き受けるのか。ノーベル賞作家クッツェーの「動物のいのち」を素材に倫理的思考の繊細な基礎をさぐるダイアモンドの論考を起点に、米哲学界の巨匠カヴェルや、分析哲学の俊英マクダウェル、科学哲学者ハッキングらが動物と人間の倫理的関係をめぐって根源的思索を展開。

目次

序 露わさ(ケアリー・ウルフ)
第1章 現実のむずかしさと哲学のむずかしさ(コーラ・ダイアモンド)
第2章 伴侶的思考(スタンリー・カヴェル)
第3章 スタンリー・カヴェルの「伴侶的思考」についての論評(ジョン・マクダウェル)
むすび 逸れ(イアン・ハッキング)

著者等紹介

ダイアモンド,コーラ[ダイアモンド,コーラ][Diamond,Cora]
ヴァージニア大学名誉教授。政治哲学、道徳哲学、文学と守備範囲は広いが、とりわけウィトゲンシュタイン解釈で名声を不動のものとした

カヴェル,スタンリー[カヴェル,スタンリー][Cavell,Stanley]
ハーバード大学名誉教授。分析哲学の手法には距離をとりつつ、フランスやドイツに絶大な影響力をもつ現代アメリカを代表する哲学者

マクダウェル,ジョン[マクダウェル,ジョン][McDowell,John]
ピッツバーグ大学教授。研究分野は、言語哲学や心の哲学から倫理学やギリシャ哲学まで多岐にわたる。現在世界で最も注目されている分析哲学者のひとり

ハッキング,イアン[ハッキング,イアン][Hacking,Ian]
トロント大学哲学科教授。専門は科学哲学。ウィトゲンシュタイン研究およびフーコーの研究でも名高い

ウルフ,ケアリー[ウルフ,ケアリー][Wolfe,Cary]
ライス大学教授。専門は英語学だが、環境問題や動物の権利の問題についても積極的に発言している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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