現代哲学への招待
四次元主義の哲学―持続と時間の存在論

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  • サイズ B6判/ページ数 437,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393323137
  • NDC分類 111
  • Cコード C0010

出版社内容情報

形而上学の大問題「存在と時間の謎」に挑んだ米哲学会賞受賞作。数々のパラドクスを解決し相対性理論とも整合する美しい哲学。

内容説明

ものは変化するのになぜ同一でありうるのか。「テセウスの船」や「粘土と像」といったパラドックスから、相対性理論やタイムトラベルなど、多彩な問題設定で対立する諸理論を精査、独自の時間論を提唱する若き俊英のアメリカ哲学会賞受賞作。現代の形而上学を知るのに不可欠な「用語解説」を付す。

目次

第1章 四次元的な世界像
第2章 現在主義への批判(時間論における二つの問題―存在論と時制;時間をまたいだ空間的関係 ほか)
第3章 三次元主義と四次元主義を規定する(なぜ定式化にこだわるのか;四次元主義を規定する ほか)
第4章 四次元主義の擁護(1)(節約に基づくラッセルの議論;論理学に基づく議論 ほか)
第5章 四次元主義の擁護(2)―一致のパラドックスについての、もっとも優れた統一理論(一致の脅威;ワーム説と一致 ほか)
第6章 四次元主義に対する反論(言語学的反論と認識的反論;変化の不可能性に基づく反論 ほか)

著者等紹介

サイダー,セオドア[サイダー,セオドア][Sider,Theodore]
1967年、ペンシルベニア州フィラデルフィア市に生まれる。1988年、ゴードンカレッジ卒。1993年、マサチューセッツ大学アムハースト校哲学科博士課程修了、Ph.D.取得。ロチェスター大学准教授、シラキューズ大学准教授、ラトガース大学准教授、同教授を経て、2007年よりニューヨーク大学哲学科教授。専門は、形而上学・言語哲学。著書に、Four‐Dimensionalism:An Ontology of Persistence and Time(アメリカ哲学会著書賞受賞作)など

中山康雄[ナカヤマヤスオ]
1952年生。大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は言語哲学、科学哲学

小山虎[コヤマトラ]
1973年生。慶應義塾大学非常勤講師。専門は分析的形而上学、言語哲学

齋藤暢人[サイトウノブト]
1971年生。東京電機大学ほか非常勤講師。専門は現代の形而上学

鈴木生郎[スズキイクロウ]
1978年生。慶應義塾大学大学院博士課程在籍中。専門は分析的形而上学、言語哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

evifrei

19
四次元主義の哲学の立場とそれに対する反論を紹介しながら展開する。両者を平等に扱う事で、価値中立的な一冊となっている。(が、難易度はかなり高い。自力の問題かも知れないが……。)四次元主義哲学のそもそもの着眼点は「存在とは何か」である。生きる時間が経ち、自分を構成する細胞の殆どが入れ替わってもそれは自分といえるのか、昨日の自分と明日の自分は今日の自分と何故同じと言えるのか―。猫の尻尾が失くなってもその猫の同一性は保たれていると直感的には言えそうだが、その理由は何か。存在と時間……突き詰めると究極的に難しい。2020/07/23

田蛙澄

3
時間論について詳しく知りたくて本書を購入したが、予想以上に濃密な内容で、なかなか議論に頭が追いつかない。ワーム説や成長ブロック説は知っていたので、そのあたりが萸力なのかと思っていると段階説が最有力と結論されて、一致や相対論との関係、一時的内在性質などの検討によって徐々に三次元主義より四次元主義なかんずくワーム説より段階説が有力になって行く丁寧な議論が印象的だった。最後の均一な物体の静止と回転はうまく理解できなかったが、何度も読んでみたくなる良書だった。2017/06/24

1
本書では「物体は時間的部分を持つ四次元的対象である」という立場、すなわち四次元主義が擁護される。イントロダクションである1章、4次元主義の前提となる時間論の一つであるB理論が擁護される2章、三次元主義と四次元主義を正確に定義する3章の後、4~6章で筆者が最善と考えるバージョンの四次元主義(段階説)が様々な観点から擁護されていく。本書の最大の魅力は、綿密な論証にある。筆者は様々な論敵の立場を検討していく際、相手の立場からありうる反論を網羅し、相手の立場を可能な限り強力にしたうえで次々と論駁していく。2014/11/09

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