出版社内容情報
いま日本人はどう生きるか。鬼才・鎌田東二が「3・11」後の時代を見据え、震災と原発を超えて「生きる道」を問う超話題作。
内容説明
「神道」という日本人の生き方。「3.11」後の時代を見据え、霊性と生態智の視点から、原発と震災を超えて、日本人の生きる道を問う、刮目の書。
目次
序章 熊野にて―東日本大震災からのメッセージ
第1章 神道をどうとらえるか
第2章 スパイラル史観としての「現代大中世論」
第3章 東山修験道―「あさっての神仏学」
第4章 祈り・東日本大震災の被災地を巡る旅―神社と民俗芸能・儀礼が伝えるメッセージ
終章「3.11」後の霊性と生態智の探究に向けて
著者等紹介
鎌田東二[カマタトウジ]
1951年徳島県生まれ。國學院大學文学部哲学科卒、同大学院神道学専攻博士課程修了。現在、京都大学こころの未来研究センター教授、NPO法人東京自由大学理事長。博士(文学)。宗教哲学、比較文明学、民俗学、日本思想史、人体科学など多様な学問を自在に横断する鬼才(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
脳疣沼
1
神道を現代社会に活かすにはどうしたらよいか、特に東日本大地震のような事態において、神道の果たす役割とはなんなのか?本書を読むとトップダウン式に、神道はこう活かすべきだ、というのは無力なのがよく分かる。震災後、神に祈った人は多いだろう。神道はささやかな癒しとして、十分に力を発揮していると思う。震災に際しての著者の空回り具合が読みどころである。2017/09/14
メルセ・ひすい
1
15-131 「神道」という日本人の生き方とは。古代からの神道の伝統を現代の問題と重ねて考える、歴史的遠近法の試み。「3・11」後の時代を見据え、霊性と生態智の視点から、原発と震災を超えて、日本人の生きる道を問う。山尾三省…ヒトという生物の特徴はさまざまにあるが、その中で欠かすことのできないことのひとつは、それがカミ(神)という意識を持つ生物である。ということであるだろう。東洋の広い地域の人々にとっては、それは仏という意識に置き換えられる。カミないし仏という意識は、意識のひとつの究極として訪れるもので※ 2012/02/08
konpeyy
0
歴史は繰り返すとの観点から語られた、中世と現代との一致。チ縁の崩壊など着目すべき点が多々あった。2012/03/19
elfee
0
「神として来たりて仏として去る」人間て、面白い。神と仏の違いとか、神と仏の共存の歴史などがわかりやすかった。日本は信仰している宗教以外のものがやってきても、受け入れて、統合し、より全体的にホリスティックに扱っていく強みのある民族なんだなと思いました。2012/03/07
DNK
0
超訳古事記の著者だったので読んだ。「神」とは、日本人が抱いてきた聖なる感情や力の集合体(フォルダ)で、八百万の神はその中に含まれるという見方が面白い。 「スパイラル史観」という、古代と近代、中世と現代が隔世遺伝的に繋がるという見方を採用している。当否はともかく、「ものごとをいろいろな角度から検証してみる知的態度と、そのような検証や認識を元に、どのように生きていくかという実践的行動」を各々がどう結び付けるかが重要らしい。 山形県にある、自然そのものを祀る「空気神社」が面白そう。機会があれば一度行ってみたい。2023/04/02