出版社内容情報
冷戦後の世界を動かすのは宗教だ。アメリカ大使館爆破に見られる憎悪とローマ教皇中東訪問に見える和解の動き。宗教文明は衝突不可避か対話可能か,徹底究明。
内容説明
S・ハンチントンの『文明の衝突』が世界中の注目を集めたように、ボスニアの民族浄化やアメリカ大使館爆破事件を起こしたイスラム教とキリスト教の対立をはじめ、宗教は世界中で紛争の火種となっている。進むべき針路の見えぬ混濁の世界情勢のなかで、諸宗教はうまく共生し、世界平和に貢献できるのか。この難問を「『自己変革型』の宗教間対話」という視点から渾身の力をこめて追及した注目の書。
目次
プロローグ―なぜ、いま「宗教間対話」なのか
第1章 宗教の衝突
第2章 宗教と寛容
第3章 宗教間対話の歴史
第4章 宗教多元主義
第5章 宗教多元主義の検討
第6章 21世紀の宗教間対話
エピローグ―諸宗教の対立・共存と宗教研究の役割
著者等紹介
山梨有希子[ヤマナシユキコ]
1972年、静岡県生まれ。三重大学人文学部卒業。現在、大正大学大学院文学研究科比較文化専攻博士課程在籍。専攻は比較宗教文化論。論文に「対話と平等―宗教の共存に『寛容』は必要か」(『春秋』417号)、「<宗教間対話>以前」1・2(共同執筆、『春秋』402・403号)。書評に「M.Walzer, On Toleration」(『宗教研究』332号)
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