内容説明
“日本”をプログラムした神秘の密教者、空海。その謎と現在性に圧倒的なイメージで迫る。
目次
空海の夢
東洋は動いている
生命の海
意識の進化
言語の一族
遊山慕仙
密教の独立
陰と陽
仮名乞児の反逆
方法叙説〔ほか〕
著者等紹介
松岡正剛[マツオカセイゴウ]
編集工学研究所所長。1944年京都に生まれる。早稲田大学仏文科卒。はやくから前衛雑誌『遊』をつくり、科学と文化の総合化をめざす。その後、エディトリアル・エンジニアリングの活動領域を開拓する一方、情報文化と情報技術の研究開発、日本文化研究、物語研究などに従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobi
76
著作と行跡を辿ることは勿論、インダス文明⇒イランインド⇒海陸3ルートで中国日本に連なる壮大な仏教史を俯瞰しつつ更に生物の起源言語の起源宗教の起源から空海に迫る。というより空海の言葉や軌跡に励磁されて世界の深奥の見方が繋がっていくよう。膨大な経典書物の渉猟と山野跋渉を通じてシンプルで深淵な境地に達した空海。その彗星のような出現と軌跡を松岡氏は共存共食の生命という観点から、古代日本語の異様な力から、イノリとイノチ、生命と意識の対立、因果律と想像力の相克としての宗教観から観じる。猛暑の夏の夢のような読書だった。2017/08/26
非日常口
28
不朽の空海思想入門書として有名な「空海密教」に、私的な指摘を詩的に史的な視野から考察した内容を付加しているようで、空海をさらに敷衍するために有用。2016/03/07
karutaroton
6
ムスビ・コで息子、ムスビ・メで娘なのか。多神教と一神教を環境の違いから論じるあたりが面白かった。2023/01/22
もくもく
5
だいぶ長くかかって読了 空海の生涯を追いながら、一方で古代インドから中国に伝わりながら完成されていった密教思想の形成過程を考察しています。 思想家・哲学者?としての空海を語ることが中心で、教団指導者・宗教家的な面については、あまり触れていないというのも、ワタシ的には好みであり興味深かったです。 まさに知の巨人:松岡の幅広い知識が注釈なしに溢れ出るような記述も多くて、結構疲れた…というのも本音です。(^_^)2014/04/08
nitti
4
書評サイトで有名な知の巨人、松岡正剛氏が長年書きたいと願っていたという空海の本。正直なところ、内容はさっぱりわからないし、周知のことだが…なんていって出てくる内容すら聞いたことがない有様では、私は読者として想定されていないんだろう。 面白いもので、内容はさっぱりでも(さして苦痛なく)つっかえずにさらさらページがめくれるところをみると、文書の力とは面白いと思う。作者の本意ではないだろうけど別の意味でも興味深かった。2018/10/24