はじめての唯識

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784393135044
  • NDC分類 183.94
  • Cコード C0015

出版社内容情報

仏教の諸教学の中でも唯識は特に,煩悩から悟りへの深層心理的な過程を明快に解明して現代的な魅力をもつ。類書中もっとも平易な入門。旧『唯識十章』を改題・増補。

内容説明

できるだけ平易な文章で、唯識の教えを簡素に紹介した入門書。

目次

第1章 唯識ということ
第2章 心の構造
第3章 心のはたらき
第4章 経験の蓄積―心の潜在的な領域1
第5章 ものごとの生起
第6章 利己性にうごめく深い自己―心の潜在的な領域2
第7章 さまざまに判断する心
第8章 五感の作用
第9章 私はだれか
第10章 仏との距離
終章 唯識と現代

著者等紹介

多川俊映[タガワシュンエイ]
1947年奈良に生まれる。1969年立命館大学文学部卒業。現在、興福寺貫首、法相宗管長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gotoran

22
論理学、心理学としての仏教、その中でもユング心理学に近い唯識思想(仏教)。興福寺貫首(著者)が、煩悩から悟りへの深層心理的なプロセスを明快にして、唯識仏教を一般人にわかるように噛砕いて分り易く解説された本書。価値観多様化、グローバル化、情報過多の現代社会を、より良く生きていくためのヒントが得られる。気付き・学びがいっぱい(付箋だらけ。一例をコメントに示す)。本書を繰返し読むとともに、類書にも当たり、唯識思想を追求し、修得したいものだ。2013/11/24

koji

19
本書は、佐藤優さんが必読の教養書100冊の1冊にあげていたもので、心理学に関心がある人に薦めていました。当時早速購入しましたが、10年以上本棚に眠っていました。しかし、コロナ禍の中、いずれ精神的危機を乗り越える縁(よすが)が求められると考え、このタイミングで日本的霊性(鈴木大拙)と合わせ読みしました。意外と読みやすいですね。唯識仏教は、心の働きを精緻な用語で分析し、「貪らず、怒らず、迷いのない心で日常生活を着実に営むこと」を説きます。この平静心を鍛えることは(困難な道程ですが)生きる縁になりうると考えます2020/04/24

gtn

12
佐藤優氏が推奨していたので手に取ったものの、著者との認識の違いが多々あり、消化できない。例えば、成仏観。著者は、三祇成仏と唱え、仏道修行を繰り返す中、いつの日にか仏になるというが、そもそも仏界はどんな人間にも元から備わっていると釈迦が説いているではないか。それを善のきっかけによって、即引き出すのが成仏であり、長久の修行など必要ない。クリスチャンである佐藤氏には、その辺りの違和感はなかったらしい。2019/04/20

テツ

10
自分自身の在り方にも世界の在り方にも絶対の正解があるかどうかなんて誰にも確かめられない。わたしとあなたは違うし「今ここから」開いている世界は私だけのものだから。唯一無二の在り方をしている「このわたし」の在り方が正しいのか間違っているのかなんて誰にもジャッジできる筈がない。どのような世界を幻想しその世界とどう対峙するのかなんて自分で勝手に決めたらいいのだ。識から世界が始まるのか、物から世界が始まるのか。どちらの世界の方があなたの好みなのか。そんなどうでもいいことのために性能の悪い脳味噌を動かすのが心地良い。2023/11/13

へこきむし

7
以前、興福寺へ行った折に購入。種子を熏習する「阿頼耶識」という概念に興味があった。数ある仏教教説のなかで、おそらく唯識(法相宗)がいちばん自分に合っていると思う。すんなりと腑に落ちる。シュタイナーの「アカシア年代記」で解き明かされた人間の初源に通じるものがあり、この2冊は私のバイブル。2013/10/03

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