内容説明
真の菩薩の生き方を鋭く初期大乗経典の『維摩経』。その梵文テキストをチベット訳や漢訳なども参照しながら、正確かつ平易な言葉で翻訳。巻末には、用語解説や梵・蔵・漢の相違点などを示した詳細な訳注を付す。
目次
仏国土清浄の由来(仏国品第一)
不可思議にして巧みなる方便(方便品第二)
声聞と菩薩を病気見舞いに遣わす(弟子品第三・菩薩品第四)
病気見舞い(問疾品第五)
不可思議という解脱の示現(不思議品第六)
天女(観衆生品第七)
如来の家系(仏道品第八)
不二の法門に入る(入不二法門品第九)
化身(菩薩)が運ぶ食事(香積仏品第十)
有尽無尽と名づけるほうのみやげ(菩薩行品第十一)
アビラティ世界の示現とアクショーブヤ如来(見阿〓(しゅく)仏品第十二)
供養の物語と法の委嘱(法供養品第十三・嘱累品第十四)
著者等紹介
高橋尚夫[タカハシヒサオ]
1944年、東京都生まれ。大正大学仏教学部梵文学科卒業、同大学院博士後期課程単位取得退学。現在、大正大学教授、大正大学綜合佛教研究所所長
西野翠[ニシノミドリ]
函館市生まれ。北海道教育大学(英語科)卒業。千葉大学教育学部言語障害児教育教員養成課程修了。教員、編集者を経て、大正大学人間学部仏教学科編入。同大学院博士後期課程単位取得退学。現在、大正大学綜合佛教研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nbhd
7
今月の100分de名著にだいぶ覆されて読んでみた。やっぱり、仏教はちょっと頭がおかしい、だから、すごい。この本は専門的な梵文和訳版、だったら簡単な口語訳を選ぶべきだったと後悔しているけど、マァそれでも覆されつづけた。クセモノ維摩にダメ出しされたトラウマでブッダの指示を断固拒否する十大弟子…天女が超能力を使ったり、維摩さんは実はパラレルワールドの住人だということが明かされたり…なにそのイマジネーション?ってなる。お経ってすごい。言うなれば「矛盾を矛盾のまんまに構築した理論」。語義矛盾だけど、そういう世界。2017/06/21
randa
2
在家だと思った維摩が、別の浄土から来た如来だったというオチまでついて面白い。そりゃ弟子たちは見舞いに行きたがりませんよ。自分の得意分野を木っ端微塵に否定されるわけですから。2017/09/05