内容説明
密教は反密教として完結する。釈尊の仏教から後期密教に至るまでの仏教思想の全体的な流れを著者独自の視点から、「クリティカル(critical)」「二重法界」「女性単数のダルマ」など、独創性に富んだ数々のキーワードを駆使して明快に解き明かした書。その斬新な思想は21年たっても色褪せることがない。今回、新たに書き下ろした原稿110枚を付す。
目次
序 『法華経』・願成就の哲学―“大乗以後”の仏教の原理と論理
1 密教理解の現位置
2 釈尊の宗教と華厳
3 大日経世界と空海
4 タントリズム瞥見―サンヴァラの儀礼と教義
5 『秘密集会タントラ』―インド密教に於ける即身成仏の思想とその儀礼
6 密教から反密教へ―『ヘーヴァジュラ・タントラ』に於ける真理の問題
7 空海の解釈学
8 稜線上の密教
著者等紹介
津田真一[ツダシンイチ]
1938年、東京都生まれ。東京大学文学部印度哲学梵文学科卒業。Ph.D.(A.N.U.)、文学博士(東京大学)。現在、国際仏教学大学院大学教授、財団法人東方研究会研究員、東方学院講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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