出版社内容情報
鎌倉時代は,日本仏教の新たな展開の時代であった。道元はさっそうと禅の教えを説き,日蓮は幾多の迫害に耐え法華の教えを宣揚する。それは今に連なる太い一筋の道である。
内容説明
理想の世界を求めて。公家から武家へ政権が移行しつつあった鎌倉時代。国家鎮護のための教えとして定着していた仏教は、日常生活に根付いた「民衆のための教え」に変わろうとしていた。旧仏教に絶望し、新天地を切り拓くために奮闘した人々の、葛藤の歴史。
目次
第1章 「蜘蛛の糸」の救い
第2章 栄西が伝えた禅
第3章 釈迦の正統仏教を伝えんとした道元
第4章 「呻き声」を発する日蓮
第5章 平安仏教を解体した鎌倉新仏教
第6章 すべてを捨てた一遍
第7章 戒律復興の動き
第8章 海を渡って来た禅僧
第9章 和風禅と純粋禅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
18
栄西が臨済宗の実質的な開祖とは言えなく、むしろ密教をしっかり修得した人というのには驚いた。禅をやるつもりは毛頭ないけれど、どちらかというと道元の方に興味は沸く。 これら有名な坊さんは皆個性的だが、中でも日蓮は強烈な個性、法華経以外はすべて否定し糾弾してしまう。 ただこのシリーズ、だんだん人(僧)の紹介が多くなってくる。私はどちらかというとそれぞれの坊さんの「教えの基本」を知りたいのだが・・・。 それにしても1つの宗教で○○派というのがいっぱい出てくるのでは、庶民は一体何を根拠に信仰すればよいのか~。★★★2020/06/14