幻冬舎新書<br> 内部被曝の真実

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幻冬舎新書
内部被曝の真実

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  • サイズ 新書判/ページ数 165p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784344982291
  • NDC分類 493.19
  • Cコード C0295

内容説明

福島原発事故では、広島原爆20個分以上の放射性物質が放出された。放射線による健康被害が科学的に証明されるまでには時間がかかる。安全か危険か議論するより前に、国が「測定と除染」に今すぐ全力を挙げなければ、子どもたちと妊婦を守れない。「民間のノウハウを集め、最先端機器を使って全国の産地で食品検査を」「低線量の膨大な放射性物質を処理するための法律の整備を」―内部被曝研究の第一人者が、政府の対応を厳しく批判しつつ具体的な対策を提言して大きな反響を呼んだ、国会でのスピーチを全文採録。

目次

第1部 7・27衆議院厚生労働委員会・全発言(私は国に満身の怒りを表明します;子どもと妊婦を被曝から守れ―質疑応答)
第2部 疑問と批判に答える(データが足りないときこそ予測が大事;線量を議論しても意味がないのはなぜか ほか)
第3部 チェルノブイリ原発事故から甲状腺がんの発症を学ぶ―エビデンス探索20年の歴史と教訓(チェルノブイリ原発事故による健康被害の実態;小児甲状腺がんの増加の原因をめぐる論争 ほか)
第4部 “チェルノブイリ膀胱炎”―長期のセシウム137低線量被曝の危険性(深刻化するセシウム137の汚染;1940年代以前には地球に存在しなかったセシウム137 ほか)
おわりに 私はなぜ国会に行ったか(委員会出席への依頼、そしてためらい;大津波は本当に「想定外」だったのか ほか)

著者等紹介

児玉龍彦[コダマタツヒコ]
1953年、東京都生まれ。77年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部助手、マサチューセッツ工科大学研究員などを経て、東京大学先端科学技術研究センター教授(システム生物医学)。2011年4月より東京大学アイソトープ総合センター長を併任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

155
原発事故から約半年後に発売された新書。半減期が30年と長いセシウム137。核兵器の開発された1940年代から自然界に増えた物質。チェルノブイリでも15年から20年後に健康被害が報告された。私が福島市に赴任したのは2011年7月。本格的な除染が始まる前で市民が自分自身で自宅の除染をしていた。大型の公共事業として除染が開始され、街にある線量計は0.1代の数値を示す。恐らく現在は内部被曝の可能性はかなり減ったろう。勿論、それ以前の内部被曝の影響が現れるかは分からない。静かな爆弾を抱えていることに、改めて気付く。2018/03/10

佐島楓

23
「人が生み出したものを人が除染できないわけがない」という一文にやや違和感を覚えた。2014/07/23

おーしつ

13
衆議院厚生労働委員会でのスピーチと質疑応答全文を採録し、疑問・批判への回答、そしてチェルノブイリでの事例からデータを徒に扱うことの危険性を訴える。 科学者として専門家としての矜持を持ち、福島に入り除染作業を現地で行い、被害者であるはずの人々が責められる理不尽に怒り、人として日本人として、子どもたちや未来へ今できることを提言する。 この提言を受けて何がなされて何がなされていないか、これからも注意していかねばならない。2011/11/26

金平糖

12
目先のことしか考えず私利私欲に走る国会議員なんかには東大理Ⅲ卒のアイソトープ研究第一人者のありがたいご意見も馬耳東風なのでしょう。一年前の答弁ですが、未だ児玉氏の提言が反映されていないことが物語っている。食品検査用のゲルマニウムカウンターではないイメージングベースの測定器を国は配置したのか?東電は撒き散らしたセシウム137の回収をしているのか?これから起こりうるだろう暗澹たる未来を少しでも回避しようと努力しているのか?反省し、回避しようとしているのならば、大飯の再稼動をするはずありませんよね…(T_T)2012/06/06

skunk_c

10
3.11のあとの国会での発言を中心に、専門誌の記事などをまとめたもの。従って内容の重複はあるが、当時の混乱した現場と、政治的な落としどころを探る政治家達に対する、良心的な医者としての姿勢が光る。自ら除染活動を行いながら、それ自体が違法となっている法律の改正を訴え、科学的根拠と実例を示しながら、しきい値や許容線量を「政治的」と切り捨て、一刻も早い線量計測と除染を訴える。一方その科学的内容はかなり難しく、不勉強な国会議員には理解不能だったのではとの危惧も。そしてこうした議論が消えてなくなった現状の恐ろしさ。2016/02/13

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