内容説明
生きることは、苦しいことだ、そして美しいことだ。親友、そして愛犬との永遠の別れ―。最大の悲しみの中で見つけた、心をたもつ秘訣とは。
目次
よしなしごと(あの場所へ;霊;鷹揚 ほか)
出会うこと気づくこと(ピンチに学ぶ;みんなすごい;このままでいい ほか)
秘訣いろいろ(気が小さいってすばらしい;生活の智慧;自分の歌を歌う ほか)
著者等紹介
吉本ばなな[ヨシモトバナナ]
1964年東京都生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、海外での受賞も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よつば🍀
50
Webマガジン『note』連載「どくだみちゃんとふしばな」を書籍化した作品。「よしなしごと」9編「出会うこと気づくこと」11編「秘訣いろいろ」8編のエッセイが収録されています。根底に流れているのは生と死。親友、愛犬との別れが切々と静かな文章で綴られている。又、インドネシア独立戦争の時、数千人の日本人兵士がインドネシア人と共に戦い多くが亡くなり現在マルガラナにある英雄墓地に眠っている話など初めて知る現実もありました。生きている事は当たり前じゃなく、ここで生かされている事を実感する。しっとりとしたエッセイ集。2018/12/08
よこたん
45
“今日は一度しかない。今日食べるものを同じ人と明日もいっしょに食べられるとは限らない。” ばななさんの、つれづれなる日々のつぶやき。大海原をただひとり、ぶかぶかと水面すれすれに浮かぶような、溺れそうで溺れない危うい匂いが漂う。穏やかなぬくもりを与え、与えられた、忘れ得ぬ人や飼い犬らとの別れ。見送る立場は辛く悲しいが、いつか自分も見送られる立場となる日がやってくる。心はそれでいっぱいになっていても、出掛ける、食べる、動く。そして本を書く。誰かのためにでもありながら、実のところは自分のためになのだろう。2018/12/17
ぽろん
38
ばななさんのエッセイ。私にとってばななさんは、いつも20代のイメージだったけれど、素敵に歳を重ねておられた。愛犬オハナちゃんの旅立ちへの切ない想いが至る所に散りばめられていて、今年、13歳になる愛息と暮らす我が身には、ちょっと堪えたなあ。今を大切に楽しんでるばななさん、素敵です。2019/01/15
花
13
メルマガのnoteが書籍化されたもの。noteで読んで知っていた文章だけれど、本になったものを読んでも、やっぱりよかった。生きていることの素晴らしさ、日々の中にある一つ一つの大切なこと、ばななさんの言葉が優しく綴られている。心に寄り添いながら、いつも温かい。生きること、死ぬこと、別れだけでなく、日々の見過ごしてしまいそうな小さなことの中にさえ、大切なものはあって、沢山の気づきをくれる素敵な本。日々の全てを大切にしたくなる。2019/04/19
Ai
8
ばななさんは生活の中にある見落としがちの、でも生きる上で大事なキラキラしたものをそっとすくって読者に見せてくれている、そう思った。 だから読んでいて何度もあ~そうかぁと気付きがあった。2019/01/29