内容説明
常識に飽き、非常識に憧れ、そこからも抜けた『芝浜』『鉄拐』『二人旅』等々。談志ほど落語に深く興味を持った者は、過去一人も居るまい。それを示した一つが、この「芸論」でもある。
目次
第1部 談志の根多論(直さずにはいられない;直した落語、作った落語 五十音順;“演らない”にも訳がある 五十音順)
第2部 談志の落語 最近版(粗忽長屋(二〇〇七年、よみうりホール)
鉄拐(二〇〇七年、ミッドランドホール)
居残り佐平次(二〇〇四年、町田市民ホール)
芝浜(二〇〇七年、よみうりホール)
二人旅(二〇〇九年、よみうりホール)
落語チャンチャカチャン(二〇〇四年、横浜にぎわい座))
著者等紹介
立川談志[タテカワダンシ]
落語家、落語立川流家元。1936年、東京に生まれる。本名、松岡克由。小学生のころから寄席に通い、落語に熱中する。十六歳で五代目柳家小さんに入門、前座名「小よし」、十八歳で二つ目となり「小ゑん」。二十七歳で真打ちに昇進し、「五代目立川談志」を襲名する。1971年、参議院議員選挙に出馬し、全国区で当選、1977年まで国会議員をつとめる。1983年、真打ち制度などをめぐって落語協会と対立し、脱会。落語立川流を創設し、家元となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
12
ネタの多い著者が、演らない噺を列挙しているのが興味深い。それぞれ理由があるが、「落語リアリズム」がないもの、つまり自身が生理的に受け付けないものを避けているのは納得できる。2018/02/14
おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)
8
本を読んで作者を知ると驚く時がある。かわいい少女漫画を描いてるむさいおっさん。逆もまた然り。わしの筆頭は立川談志で談志の文章の無菌室並みの異様な清潔感やロジックの効いた硬質な文体。あのガラガラ声のおじいちゃんの底にはこういった源泉が流れているのかと。みんな天才!天才‼︎言うけど個人的にはあのどぎつい高座より文章の方が人柄の異彩が際立ってわかるのではと実は思ってます。色々本描いてるけどこの落語の根多帳解説は噺の幹をパッパッパッと箒で掃くように解説してさっとひきあげる。やっぱこれが粋でしょ。2016/08/17
テクパパザンビア
7
落語を本当に愛していたんですね…談志師匠は。2012/12/09
みんさね
5
やらないネタの理由がいい。予想通りで。生落語聴きてぇ。2010/10/29
nutts
5
イリュージョンが活字で読める、というのはなんとも不思議。そりゃぁ、生で感じるより、映像で観るより、音で聴くよりも伝わるものは薄いかもしれないと思いつつも、鉄拐が踊り、佐平次がひとりでに躍動する姿が目に浮かんでくるのだから、やっぱり家元はすごい。2010/09/18