出版社内容情報
宮崎アニメーションにひそむ遠大なプロジェクトへの疑念と浄化との訣別をあざやかに読み解く。フジモトとは何者なのか。宮崎駿が口にする「半径?メートル」の意味とは。宮崎はなぜモブシーンにこだわるのか。生涯最後の長編アニメーション作品『風立ちぬ』はなぜ観るものにカタルシスをもたらさないのか。宮崎アニメーションにひそむ遠大なプロジェクトへの疑念と浄化との訣別をあざやかに読み解く。
はじめに――なぜモネなのか
一 フジモトとは誰か
二 『風立ちぬ』と半径300?
三 宮崎作品と身分、階級、序列
四 「人がゴミのようだ」と言ってはいけない
五 宮崎駿と「教養主義」
六 なぜ「二郎」と呼ばれ「堀越」と呼ばれないのか
荻原 真[オギハラマコト]
1958年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。中央大学文学部卒業。思想史。
著書に『日本人はなぜ脳死・臓器移植を拒むのか』(新曜社、1992年)、『小林秀雄とは誰か―断ち切られた時間と他者』(洋々社、1999年)、『西洋哲学の背骨―知っておきたいプラトン、デカルト、カント、サルトル』(新曜社、2006年)、『なぜポニョはハムが好きなのか―宮崎アニメの思考』(洋々社、2009年)、、『なぜ宮崎駿はオタクを批判するのか』(国書刊行会、2011年)、共著書に『20世紀を震撼させた100冊』(出窓社、1998年)、共訳書にメルキオール『現代フランス思想とは何か―レヴィ=ストロース、バルト、デリダへの批判的アプローチ』(河出書房新社、2002年)などがある。
内容説明
なぜパズーはハトを飼っていたのか。なぜムスカは手帳に頼るのか。なぜソフィーは帽子屋なのか。なぜサリマンは温室のなかにいるのか―宮崎アニメーションに見られる対比、対立の論理をあざやかに読み解き、アシタカがサンに投げかけた言葉「共に生きよう」の意味の広がりを展望する。
目次
四十秒でパズーは何のしたくをしたのか
冷たい水と温かい水―キキの場合
冷たい字と温かい字―ルパンの場合
冷たい伝承と温かい伝承―ムスカとシータの場合
おとなによって引き離された一人と一匹
共生―「共」に「生」きること
ナウシカと“共生”
機械との共生
死者との共生
共生と“共食”
共生と“共鳴する身体”
“異なるもの”の立場に身を置いてみること
開かれていること
傷つくのを恐れないこと
ゲームを捨てよ、山や海に行こう
著者等紹介
荻原真[オギハラマコト]
1958年東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。中央大学文学部卒業。思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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