光文社新書<br> 99・9%が誤用の抗生物質―医者も知らないホントの話

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光文社新書
99・9%が誤用の抗生物質―医者も知らないホントの話

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  • サイズ 新書判/ページ数 286p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334037598
  • NDC分類 492.31
  • Cコード C0247

内容説明

抗生物質は多くの国で間違った使い方をされているが、日本においてその間違い方は顕著であり、ほとんどが誤用である。必要のない症状に漫然と処方されているために、耐性菌が増え、抗生物質を治療の切り札とする、命を奪う肺炎や、急性喉頭蓋炎、髄膜炎などの感染症治療の際に使用できず、患者(子どもを含む)が亡くなるようなことも起きている。また心臓への副作用などリスクも報告されているが、知らない医者・患者も多い。「よくなってほしい」「誤診が怖い」と、つい足し算の医療をしてしまう医師、そして医師まかせにして病院ブランドや薬にしがみつく患者の双方の態度に警鐘を鳴らしつつ、「微妙な状態をビクビクしながら待ち、時間を活用しながら薬が必要かを判断する」という、臨床医学のよりリッチな世界観へと読者を導く。医者と患者と薬、その関係を問い直す一冊。

目次

第1章 かぜに抗生物質は必要ない
第2章 21世紀の感染症の世界
第3章 「診断」という知的営為―臨床医、リッチな世界観を持つべし
第4章 臨床をなめんなよ―現場の医療レベルが上がらない、その理由
第5章 経口三世代セファロスポリンは、99・9%が誤用
第6章 日本感染症界の「黒歴史」
第7章 もっと「感染症のプロ」を―日本の感染症専門医、その信頼性について
最終章 さらば、「足し算」の医療―ポリファーマシー(多薬剤処方)の問題

著者等紹介

岩田健太郎[イワタケンタロウ]
1971年島根県生まれ。神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授。神戸大学都市安全研究センター教授。1997年島根医科大学(現・島根大学)卒業。沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院内科などで研修後、中国で医師として働く。NYで炭疽菌テロ、北京でSARS流行時の臨床を経験。2004年帰国し、亀田総合病院(千葉県)に勤務。感染症内科部長、同総合診療・感染症科部長を歴任し、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ボル

21
2013年8月刊。類書を幾度か確認したので本書の有用な点に絞ってレビューします。本書は各章の最後にポイントとしてまとめられていました。p282には資料4「高齢者が一般に使用を避けることが望ましい薬剤」として抗生物質(抗菌剤)の成分リストがある。出典は徳田宏治編集となっている。特に日本では医療現場で抗生物質の多用した結果、耐性菌が出現後薬が全く効かなくなり、院内感染する例が後を絶たない。医師も患者の要望に応えるため、抗生物質を間違って処方してしまう。私たち自身が薬の正しい知識をもつ必要を改めて感じます。2019/12/25

ふろんた

18
風邪に対しての抗生物質は不要。仕事や生活のことを考えるとついつい薬に頼りがちになるが、まずは自然治癒を試みないと。2014/11/01

スリーピージーン

11
くだけた語り口で書かれていましたが、内容は結構専門的な所も多い。私が服用した経験のある抗生物質の薬もたびたび登場する。ご説ごもっともだけど、よほどのことがない限り医師の処方にこちらは口出しなんてできないし、ああそうですかというレベルです。「せっかく来たからとりあえず薬くださいよ」なんていう患者いるんですね。驚きました。あれもこれも、え?吸収されないんですか?効いてるんじゃなくて自然に治ったのですか?と驚きがたくさんでした。2014/07/23

fseigojp

9
臨床の業績だけで教授になった男 一種の快男児 日本もアメリカ医学にやっと追いついてきた2015/07/17

まさきち

7
医師必読.医学教育に関わる人間必読.医師以外の医療に関わる人間必読.つまりは患者も必読.これから患者になる日本人必読.というぐらいに,他人におすすめしたい一冊.いや,わかります.このぐらいのことはわかっているよという賢い方々がいらっしゃるのは.でも,そんな人が多数派ではないから,著者の岩田先生は苦労して本を書き続けているのだと思います.その気概に報いるために,来週,学生に内容をかいつまんで紹介して,読みたい気持ちにさせてきますよ.2013/11/01

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