光文社新書<br> 『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する

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光文社新書
『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する

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  • サイズ 新書判/ページ数 277p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334034207
  • NDC分類 983
  • Cコード C0298

出版社内容情報

未完に終わった大長編の新訳から浮かび上がった驚くべき「続編」の可能性! ドストエフスキー最晩年の思想がいま、蘇る。

【目次】
はじめに
第一章 作者の死、残された小説
 1 残された手がかり
 2 空想のための九つの条件
 3 友人、妻……同時代人の証言
第二章 皇帝を殺すのは誰か
 4 序文にすべての秘密がある
 5 「始まる物語」の主人公たち
 6 思想の未来
第三章 託される自伝層
 7 年代設定とタイトル
 8 アリョーシャはどんな人間か 
 9 テロルと『カラマーゾフの兄弟』と検閲
第四章 「第二の小説」における性と信仰
 10 リーザと異端派
 11 「第二の小説」のプロットを空想する
 12 影の主役、真の主役
おわりに もう一人のニコライ、ふたたび自伝層へ
参考文献一覧
余熱の書――あとがきに代えて

【著者紹介】
一九四九年生まれ。東京外国語大学教授を経て、現在同大学学長。ドストエフスキー関連の研究のほか、ソ連・スターリン体制下の政治と芸術の関係をめぐる多くの著作がある。著書に『磔のロシア』(岩波書店)、『熱狂とユーフォリア』(平凡社)、『ドストエフスキー 父殺しの文学上・下』(NHKブックス)、『「悪霊」神になりたかった男』(みすず書房)、『大審問官スターリン』(小学館)など多数。最近の訳書に、『カラマーゾフの兄弟1~5』(光文社古典新訳文庫)がある。

内容説明

未完に終わった大長編の新訳から浮かび上がった驚くべき「続編」の可能性。ドストエフスキー最晩年の思想がいま、蘇る。

目次

第1章 作者の死、残された小説(残された手がかり;空想のための九つの条件;友人、妻……同時代人の証言)
第2章 皇帝を殺すのは誰か(序文にすべての秘密がある;「始まる物語」の主人公たち;思想の未来)
第3章 託される自伝層(年代設定とタイトル;アリョーシャはどんな人間か;テロルと『カラマーゾフの兄弟』と検閲)
第4章 「第二の小説」における性と信仰(リーザと異端派;「第二の小説」のプロットを空想する;影の主役、真の主役)

著者等紹介

亀山郁夫[カメヤマイクオ]
1949年生まれ。現在、東京外国語大学教授ならびに同大学学長。ドストエフスキー関連の研究のほか、ソ連・スターリン体制下の政治と芸術の関係をめぐる多くの著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

140
亀山さんのこの作品に対しても思い入れがこのような本と「新カラマーゾフの兄弟」という作品に結実しているのでしょう。やはり論点が学者的な部分が多いような感じがして、もう少し文学者であったら飛躍的な感じにしたのだろうなという気がしました。昔よんだ江川卓さんの謎ときシリーズ(ドストエフスキー三部作)を読んだときのほうがわくわくした覚えがありました。この本を読んでみて再度「カラマーゾフ」を読もうと思っています。2016/02/22

翔亀

45
予告されながら作者の死により書かれずに終った「カラマーゾフの兄弟・第二部」。研究者による推論や作家による創作(高野史緒,円城塔)があるが、数少ない証言や「第一部」に埋込まれた証拠により、論理的に推理する。作家の創造力が命の小説において、この試みが成功しているとは言い難いが、逆にキリスト教社会主義者による皇帝へのテロが頻発する中で、ドストエフスキーが、皇帝権力により死刑判決を受けて、監視の下に権力を欺きながら時代に挑戦したからこそ、あれほどの人間の根源に迫った作品を書けたことが、ありありと理解できるのだ。2014/08/16

kazi

42
亀山先生による、「カラマーゾフの兄弟」の続編予想です。カラマーゾフ周りの事実関係を整理しなおすには本書は最適だと思う。度重なるテロルに鞭身派や去勢派の台頭。凄い時代だったんだな~と、あらためて実感しました。第一の小説や作家の生きた時代から続編に思いをはせることは、カラマーゾフを読み解くうえで最高の読書法なのではないかと思う。続編への鍵はやっぱコーリャの存在感だよな~。火薬と鉄道、そして社会主義者。やはり彼が皇帝暗殺の直接的下手人になる?そしてアリョーシャは13年前のように弁護台に立つ?うーむ、どうだろ?2020/09/09

シッダ@涅槃

28
ここまで作品をねっとり読んでみたいものだ、という憧れを持つ。リーザの指の自傷行為に、そんな意味があったとはね……。◆哲学はときに社会通念をぶっ壊すいきおいのぶっ飛んだことを言う、という僕が近年思ってたこと裏書するような事態に遭遇。ニコライ・フョードロフ。人間は子のために生きるにあらず。父祖の肉体的(クローン的)復活に生きる。そこにはキリストも含まれる。といった思想。正直引いた。ドストエフスキーは子ども好きと推察されるので彼の思想には最後の最後で賛同しなかったのでは?と思う。◆ネタバレには全く配慮ないです。2021/11/04

デビっちん

26
光文社古典新訳文庫版の訳者である著者が、『カラマーゾフの兄弟』の続編についての空想を語っています。物語事態があるわけではなく、当時の状況だったり背後にある力関係を考え、前作に続いての構成を検討している内容でした。ムムムと唸らされた文庫版の解説を一段と強力にした感じでした。このレベルで考えられたら、さぞ楽しいだろうし、同時にかなり苦しむだろうと感じました。2020/02/02

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