出版社内容情報
小学4年生の晴斗はお母さんの再婚相手、つまり――“新しいお父さん”と二人きりでキャンプに行くことになりました。テント設営、釣り、料理、何をやっても失敗ばかりの二人は、キャンプ場で出会った一組の親子に何度も助けられます。ですが、キャンプ慣れした、一見幸せそうなその親子が抱える複雑な事情を知った晴斗は、「父と子」について、改めて思いを巡らせるのでした――。
内容説明
お母さんと同じ美容院ではたらく大介君と、ふたりでキャンプへいくことになった。それはつまり、新しいお父さんといくはじめてのキャンプということでもあり…。たよりない大介のすがたに不安を感じていた晴斗は、キャンプ場で一組の親子と出会います。ですが、その親子も“ある事情”をかかえていました。
著者等紹介
いとうみく［イトウミク］
神奈川県生まれ。『糸子の体重計』（童心社）で日本児童文学者協会新人賞、『空へ』（小峰書店）で日本児童文芸家協会賞、『朔と新』（講談社）で野間児童文芸賞を受賞。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
71
児童書。小学4年生の晴斗(はると)は大介君とふたりでキャンプに行く。大介君は2ヶ月前にお母さんと結婚して新しいお父さんになったばかり。張り切る大介君だけど、キャンプ初心者でテントも立てられない。人見知りで、はっきり自分の意見を言うのが苦手な晴斗はイライラして不満げ。ふたりは隣でキャンプしている父子と知り合いになる。同じく4年生の耀太(ようた)君は、来年はキャンプに来ないかもと話す。▽父と子のお話。どちらの父親も一生懸命なところがいい。
しゃが
52
キャンプ場で出会った二組の父と子の物語。一組は小学4年生の晴斗は “新しいお父さん”とはじめて尽くしのキャンプに…、もう一組の耀太君たちはキャンプ慣れした、一見幸せそうだが、離婚した父と最後のキャンプになる事情を抱えていた…。初めて出会ったが父親同士、子ども同士、胸のうちを打ち明ける。耀太は「他人だから。学校の友だちには言えないよ。かわいそうとか思われるのもいやだし」と。耀太の父は新しい父に悪いからこれが最後のキャンプというが、日本人らしい発想に悲しかった。2023/05/14
白雪ちょこ
19
キャンプの知識や、見やすいイラストと共に、大きな文字で描かれているため非常に読みやすい。 しかし、読みやすさとは裏腹で、内容はとても深く濃い。 子供ながら、新しいお父さんとの距離の詰め方や、家族でのいざこざなどが、キャンプを通して描かれている。 主人公の男の子2人が、徐々に心の距離を縮めていき、最終的には笑顔になり、楽しくキャンプをしている姿にも、とても好感を持てた。 今度からは、和気あいあいと、まっすぐにキャンプを楽しめるといいと願う。2023/04/09
マツユキ
14
読書だけでもキャンプを、と思ったけど…。母の再婚相手で、思いつきで動く大介くんに、晴斗はハラハラ。そんな時、キャンプ慣れした親子と知り合いになるが…。遠慮しがちな親子がもどかしい。話せば分かるわけではないけど、自分の気持ちを伝えるのは、大切。また楽しくキャンプできますように。2023/08/01
頼ちゃん
12
字も大きめでさくさく読めるけど、内容は割と深い。2021/12/30
