内容説明
少子高齢化が急激に進む日本は、優秀な人材が家庭の貧富にかかわらず大学に進学できる社会システムを創り上げる必要がある…今の日本のように、家族が教育費を負担するのが当たり前という「家族主義」のままでは、稼ぎ手の親が倒れると大学進学は極端に難しくなる。「家族主義」を変え、家庭環境の激変があっても、子どもが自分の可能性を最大限に伸ばせる社会、「教育を家族だけに任せない」社会を構想した。
目次
人生の初めから家族だけに任せない文化を創る
第1部 高等教育での親負担主義の問題点―スウェーデンとの比較(教育費負担の現状;制度が文化を創る―スウェーデンの大学での親負担主義の廃止;高等教育費の公的負担の根拠)
第2部 就学前教育を無償化し信頼を創る(子どもの貧困解消―普遍主義か選別主義か;就学前教育で政治への信頼を創れるか;保育・就学前教育の無償化)
家族主義を変える
著者等紹介
大岡頼光[オオオカヨリミツ]
1965年広島県に生まれる。1988年東京大学法学部卒業。1996‐97年スウェーデン・ウプサラ大学社会学部客員研究員。2000年大阪大学大学院人間科学研究科(後期課程)社会学専攻修了。博士(人間科学)。現在、中京大学現代社会学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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客野
1
北欧で学んだこともある著者らしく、北欧の教育制度をわかりやすく解説してくれたのがよかった。文章もやや口語的で、データが多いわりに読みやすい。ちょっとずれた視点からの指摘は面白い。良い本です。2016/10/17
ももとり
0
5章まで読了。論点やデータは興味深いものの主語と述語が合ってなかったりして非常に読みづらく、読み進めるのが苦痛だった。理科系の作文技術を再読したくなった。2014/10/31
も
0
"幼児のため"であるはずの就学前教育が、いつしか"親が社会に出るため"に親を支援するサービスになってしまっているのはたしかに冷静に考えれば変。もちろん後者も大事な理由の一つだけど、前者にしっかり目を向けんといかん。 あと、自分の中のカインコンプレックスが加速した()(この本のせいではない)2018/11/12