内容説明
国境を越える人:毎年2億人以上。国境で命を落とす人:毎年5000人、誘拐される人:半年で1万人以上。「グローバルエリート」が世界を飛び回る一方で、命がけで海や山を越えて入国を試みる者がいる。国境管理の世界的潮流や用いられている最新技術、その社会的帰結を紹介し、現代の国境政策はどうあるべきか論じる。
目次
国境政策のパラドクスとは何か?
1 国境管理強化は現実的な政策か?(現在おきているのは構造的な「対移民戦争」である;国境閉鎖は現実的な政策か?―移民のグローバルガバナンスと移動の権利の保障)
2 国境政策と管理テクノロジーの進化(「再入国協定」とは何か?―その隠された側面としての退去強制;国境再編における国家の暴力―出入国管理、警察、軍事;国境概念の変化と監視体制の進化―移動・セキュリティ・自由をめぐる国家の攻防)
3 国境のポリティクスの社会的帰結(移住と境界をめぐる一考察―受け入れ社会間の比較の視点から;国籍法を変えたフィリピン女性たちの身体性―ジェンダー・セクシュアリティとグローバリズム)
著者等紹介
森千香子[モリチカコ] [Le Bail,H´el`ene]
一橋大学大学院法学研究科准教授。フランス社会科学高等研究院博士課程修了(社会学博士)。都市社会学、移民研究
ルバイ,エレン[ルバイ,エレン]
日仏会館研究センター協力研究員、明治学院大学国際平和研究所研究員。パリ政治学院博士課程修了(政治学博士)。フランス国立東洋語・東洋文化研究院で中国語を専攻。研究領域は、中国人移民、中日の国際結婚を研究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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