社会科学の方法論争―多様な分析道具と共通の基準

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  • サイズ A5判/ページ数 384p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326301768
  • NDC分類 301.6
  • Cコード C3031

出版社内容情報

社会科学の必読論文集をついに完訳!どの研究手法をどう使えばいいのか?これで方法論を理解できる。便利な用語解説つき。

本書は、定性的研究の方法論に関する最新の研究成果であり、政治学をはじめとする社会科学者に広く読まれてきた。定性的研究とは、少数の事例を深く分析する研究のことであり、本論集は科学哲学および統計理論の観点から、この定性的手法をどのように社会科学研究に活かすべきかという問題に答えようとするものである。

[関連書] G.キング/R.コヘイン/S.ヴァーバ
       『社会科学のリサーチ・デザイン』 (小社刊)


     第Ⅰ部 序論

第1章 方法論の再検討
 1.主流派定量手法,定性的手法,および統計理論
 2.『社会科学のリサーチ・デザイン』に関する論争
 3.分析道具と基準
 4.方法論に関する異なる見解に向けて
 5.各章の概観

第2章 基準の追求
        ――『社会科学のリサーチ・デザイン』の検証――
 1.科学的研究,推論,仮定
 2.ガイドライン――DSIの枠組みの要約
 3.DSIの枠組みをめぐる本書の議論

     第Ⅱ部 定量的モデルの批判

第3章 定量的研究様式は定性的研究者にとって
     どの程度有効か
 1.神学と説教法
 2.定量的手法優先主義からの脱却
 3.結論

第4章 定量帝国主義の果たされぬ約束
 1.DSIの貢献と欠点
 2.省略された部分と将来の研究課題
 3.結論

第5章 社会科学の推論はいかに逸脱事例を見落としているか
 1.問題設定および演繹的理論形成
 2.理論と逸脱に関するいくつかの事例
 3.教訓

第6章 事例選択バイアスに関する定量的見解の
     行き過ぎた主張
 1.事例選択バイアスに関する警告は行き過ぎか
 2.極端な値の従属変数に基づく事例選択――なぜこれが問題なのか
 3.定性的研究における事例選択バイアス
 4.無分散デザインについての厳しい警告
 5.事例間および事例内比較に関するさらなる考察
 6.結論

     第Ⅲ部 定性的手法の分析道具

第7章 定性的研究の分析道具
 1.定性的手法の概観
 2.結論

第8章 事例志向型研究からの5つの挑戦
        ――変数志向型研究はどう応えるか――
 1.事例の構成
 2.結果が同じ事例の研究
 3.負事例の定義
 4.多重・連結原因の分析
 5.理論に一致しない事例および「決定論」の扱い
 6.結論

第9章 事例研究と定量的世界観の限界
 1.科学哲学と研究の論理
 2.推論は根本的に定量的なのか
 3.単一または少数事例に基づく推論
 4.綿密な研究の方法論に向けて――事例研究のための異なる論理
 5.結論

     第Ⅳ部 定量的・定性的伝統の結合

第10章 定量的手法と定性的手法の架け橋
 1.定性的データと定量的データを組み合わせる際の問題点
 2.溝を埋めるための分析道具
 3.結論

第11章 研究デザインの重要性
 1.『社会科学のリサーチ・デザイン』のねらい
 2.われわれが看過したとされる問題
 3.事例選択バイアスを避ける危険
 4.トライアンギュレーションによる結論

     第Ⅴ部 多様な分析道具と共通の基準

第12章 DSI批判,統計理論の見解,トレードオフ
        ――議論の総括――
 1.DSI批判とそれに対する統計学的見解
 2.研究デザインにおけるトレードオフ
 3.結論

第13章 因果的推論における説得力の源泉
        ――DSIとは異なる方法論の構築に向けて――
 1.主要な区別の再考
 2.定性的研究vs.定量的研究――4つのアプローチ
 3.事例と観察
 4.データセット観察vs.因果プロセス観察
 5.結論――議論の総括
 6.方法論における優先順位のバランス――技巧化および共通の基準の模索

補章 データセット観察 vs. 因果プロセス観察
        ――2000年アメリカ大統領選挙――
 1.データセット観察に基づく回帰分析
 2.因果プロセス観察による分析
 3.Lottはどこで誤ったのか
 4.結論

用語解説

 参考文献
 事項索引
 人名索引
 初出一覧
 著者・訳者紹介

内容説明

どうすれば「科学的」な研究ができるのか?社会科学の必読論文集をついに完訳。真にすぐれた分析手法とは?方法論争を根底から理解する。便利な用語解説つき。

目次

第1部 序論(方法論の再検討;基準の追求―『社会科学のリサーチ・デザイン』の検証)
第2部 定量的モデルの批判(定量的研究様式は定性的研究者にとってどの程度有効か;定量帝国主義の果たされぬ約束 ほか)
第3部 定性的手法の分析道具(定性的研究の分析道具;事例志向型研究からの5つの挑戦―変数志向型研究はどう応えるか ほか)
第4部 定量的・定性的伝統の結合(定量的手法と定性的手法の架け橋;研究デザインの重要性)
第5部 多様な分析道具と共通の基準(DSI批判、統計理論の見解、トレードオフ―議論の総括;因果的推論における説得力の源泉―DSIとは異なる方法論の構築に向けて ほか)

著者等紹介

ブレイディ,ヘンリー[ブレイディ,ヘンリー][Brady,Henry E.]
マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了。Ph.D.(経済学および政治学)。現在、カリフォルニア大学バークレー校政治学部および公共政策大学院教授(社会科学方法論、比較政治)

コリアー,デヴィッド[コリアー,デヴィッド][Collier,David]
シカゴ大学大学院博士課程修了。Ph.D.(政治学)。現在、カリフォルニア大学バークレー校政治学部教授(比較政治、ラテンアメリカ研究)

泉川泰博[イズミカワヤスヒロ]
ジョージタウン大学大学院博士課程修了。Ph.D.(政治学)。現在、神戸女学院大学文学部准教授(国際関係理論、東アジア安全保障)

宮下明聡[ミヤシタアキトシ]
コロンビア大学大学院博士課程修了。Ph.D.(政治学)。現在、東京国際大学国際関係学部教授(国際関係理論、日本外交)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Hiroyuki

0
これを読めばKKVを読む必要はない。KKVに則った方法的に厳格なゴミを生産しないためにも一読をお勧めする。2014/12/05

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