出版社内容情報
なぜシュタイナーの後期思想は神秘主義的な手法で示されたのか。前期思想から一貫する「エゴイズムの克服」という課題から分析する。
シュタイナーの思想は1900年頃を境として、アカデミックで哲学的な前期思想から、神秘主義的な後期思想へと転換した。本書はシュタイナーの後期思想を中心に再検討。シュタイナーの思想を教育実践と接続し、シュタイナー教育実践の背景にある「自由と倫理の両立」に向かう思想と、そのための教育観を捉え直すことの意義を示す。
内容説明
シュタイナーの思想の再評価のために。シュタイナーの思想を、「自由」と「倫理」の両立に向けた“教育”と“神話”、そして「ホリスティックな知」というキーワードでつなぎ、その教育的意義を再検討する。
目次
序章 本書の目的
第1章 シュタイナーのシュティルナー解釈に見る「世界自己」としての「私」という観点
第2章 「世界自己」の実現に向けた“教育”とそのための“神話”
第3章 “神話”による“教育”(1)―「想像力」と問い直しによる認識の拡張
第4章 “神話”による“教育”(2)―「一体となって知ること」による感情の拡大
第5章 “神話”が可能にする「ホリスティックな知」―アナロジーの伝達機能に着目して
終章 「ホリスティックな知」による“教育”と教育
著者等紹介
河野桃子[コウノモモコ]
1978年生まれ。2013年東京大学大学院教育学研究科博士課程総合教育科学専攻単位取得退学。博士(教育学)。現在、信州大学学術研究院総合人間科学系専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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