出版社内容情報
淡水域は地球の表面積の1%にも満たないが,そこに地球上の全脊椎動物種の35%が生息している。しかし,今,淡水魚の1/3が絶滅の危機に瀕している。水は人間の経済活動にはなくてはならないものであるが,偏在し,多すぎても少なすぎても災害をもたらす。そのため,淡水環境は人間の経済活動のために過度に改変されてきた。今,その開発がアジアを襲っている。アジアは淡水魚の多様性のホットスポットである。しかし,学術的には調査が不十分で情報が極めて不足している地域でもある。本書は,淡水魚の研究者である著者が,その(淡水魚種の)持続性を切に願いながら,広くアジアモンスーン各地の淡水魚の分布調査を通して探求した,淡水魚の生態とそれを取り巻く人々,そして自然環境の喫緊の記録である。
口絵
1 モンスーンアジアの淡水魚類多様性
1.1 淡水魚とは何か
1.2 モンスーンアジアの淡水魚とその重要性
1.3 淡水魚と人々との関わり
2 東南アジアの現場から
2.1 カンボジア
2.2 半島マレーシア
2.3 サラワクマレーシア
2.4 ミャンマー・インレー湖
2.5 水力発電ダム開発とメコン川の未来
3 東アジアの現場から
3.1 中国太湖流域,チャオシー川
3.2 佐渡ヶ島
3.3 南西諸島・奄美琉球地域
3.4 西表島と屋久島,滝と淡水魚
3.5 白神山地
現場調査に関する付記
おわりに
アジアの淡水魚,その魅力を将来へ(コーディネーター高村典子)
索引
鹿野 雄一[カノ ユウイチ]
著・文・その他
高村 典子[タカムラ ノリコ]
解説
目次
1 モンスーンアジアの淡水魚類多様性(淡水魚とは何か;モンスーンアジアの淡水魚とその重要性;淡水魚と人々との関わり)
2 東南アジアの現場から(カンボジア;半島マレーシア;サラワクマレーシア;ミャンマー・インレー湖;水力発電ダム開発とメコン川の未来)
3 東アジアの現場から(中国太湖流域、チャオシー川;佐渡ヶ島;南西諸島・奄美琉球地域;西表島と屋久島、滝と淡水魚;白神山地)
現場調査に関する付記
著者等紹介
鹿野雄一[カノユウイチ]
2006年三重大学生物資源学研究科博士課程修了。九州大学持続可能な社会のための決断科学センター・准教授・学術博士。専門は生態学・魚類学
高村典子[タカムラノリコ]
1979年奈良女子大学大学院理学研究科修士課程修了。国立環境研究所生物・生態系環境研究センター琵琶湖分室・フェロー・学術博士。専門は陸水生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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