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ひきこもり文化論

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314009546
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「ひきこもり」をとおして、日本社会・文化を読み解く!

 「ひきこもり」問題の第一人者で、メディア上でも活発に啓蒙活動を展開してきた精神科医による、ひきこもり論の集大成。ひきこもりの社会背景から、「甘え」文化との関連、欧米・韓国との比較、サイバースペース、地域通貨、コミュニケーション論、世代論、文学表現、治療者としての倫理観まで、多岐にわたる領域で縦横無尽に論じてきた文化論的考察を収める。

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本書のタイトル通り、実用の書ではない。
「ひきこもり」をめぐって、私が折りに触れて考えてきた、どちらかといえば周辺的問題を中心に取り扱っている。・・・
私自身は、ひきこもり問題には社会文化的要因が深く関与していることを確信している。
それに加えて、周辺を考えることが中心を再活性化する、という要因もあり、こうした非臨床的な原稿も数多く書いてきた。
さらに、「書くこと」を通じて私自身、ひきこもりへの認識を深めてきたとの思いがあるのだが、
本当にそうかどうかは読者、とりわけ当事者の判断にゆだねよう。  (「あとがき」より)

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「週刊文春」2/5号“著者は語る”に斎藤環氏登場!
日本経済新聞2/22書評欄「(ひきこもりという)現象について、社会文化論的なアプローチで迫ろうとするものだ」作家藤原智美氏評

★村上 龍さん(作家)「私のおすすめ」(「i feel」出版部50周年記念号より)★
「 臨床医としての斎藤環氏のひきこもり論の集大成とも言えるもの。ひきこもりの是非を問うのではもちろんなく、いたずらにその意味論や希望や絶望を語るものでもない。その日本的なバックグラウンド、また各国との比較文化としての一種の普遍性、さらにサイバースペースとの関係などがていねいにクールに論じられ、そして現代におけるコミュニケーションの問題が姿を現す。この本を読むとわたしは『共生虫』と『最後の家族』を書いたときのことを思い出す。斎藤環氏の『共生虫』への批判に対する形で『最後の家族』を書いたというわけではないが、氏の指摘によってわたしは小説の存在理由を考え直すことになった。小説は誰のためのものか、ということだ。
 特別な人が特別な状況にあってひきこもりになるわけではない、ひきこもりに安易な解決法はない、ひきこもりは単に甘えているわけではない、いろいろなことをわたしはこの本から学んだが、その最大のものは、ひきこもりは極めて重要な何かを象徴しているということだった。」


2004年掲載
日経新聞2/22、西日本新聞他(共同配信)1/25、週刊文春2/5号、safari4月号、読売新聞4/14夕、NHKステラ3/26号

内容説明

「ひきこもり」の社会的背景から、「甘え」文化との関連・欧米・韓国との比較、サイバースペースの特質、治療者としての倫理観にいたるまで、縦横無尽に展開してきた文化論・社会論的考察を収録。

目次

1 まえがきに代えて―「ひきこもり」を語ることの倫理
2 社会病理としての「ひきこもり」
3 ひきこもりシステム―その日本的背景
4 「甘え」文化と「ひきこもり」―比較文化論的考察
5 「ひきこもり」の周辺(サイバースペースと「ひきこもり」―他者との距離感について;治療法としての地域通貨;「対話」の媒介され難い無意味さについて;「何もないこと」からの戦略 ほか)

著者等紹介

斎藤環[サイトウタマキ]
精神科医。1961年生まれ。筑波大学医学専門群(環境生態学)卒。医学博士。現在は爽風会佐々木病院に勤務。専門は、思春期・青年期の精神病理および病跡学。ひきこもり問題の臨床・啓蒙活動だけでなく、サブカルチャー批評やメディア分析の仕事にも定評がある
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