出版社内容情報
染織家・志村ふくみ、95歳。民藝などの先達の言や、国内外の文学を礎に、随筆家としても活躍する人間国宝の魂に迫る、初の総特集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミー子
5
NHKの日曜美術館でたまたま志村ふくみさんのことを初めて知って素晴らしいと思い、書店で見つけたこの本を買った。染織家であり、本物の芸術家でもあると思う。先日読んだロダンの芸術論と、志村ふくみさんがおっしゃっている染織の話とが、とても共通するのも興味深かった。美とは自然にあり、自然の中の美を人が抽出することで、本当に素晴らしい作品となる。そして、自分の分野(志村さんの場合は染織)以外の、自分に栄養を与えるものを持つこと。志村さんの場合は文学であり、美術や音楽でもあったと思う。この本を読んでよかった。2020/08/23
takakomama
3
インタビューや対談、評伝、エッセイ、出会った人々や愛読書など。自然を愛し、仕事に真摯に向き合い、未来を憂う・・・ ゲーテやリルケなど愛読書は、私には難しいかしら。ふくみさんの本を読んで、私も草木染を始めたので、いつか作品の実物を見たいです。2020/07/19
aoto
1
芸術論な話が大好物。志村ふくみさんのエッセイをいくつか集めてたり、対談集を集めてたり。「色彩」というものについての概念を変えさせてくれるような話が多く、それは一芸を極めた志村さんだからこそ語ることのできる深みを感じられた。日本語の色彩に対する意識の高さは素敵だよなと。とても勉強になる。また、言葉や表現が素敵。スッキリとしながらも、細部に対する拘りが感じられて良き。志村さんの目を通して描かれる光景や考え方が目に浮かぶ。ごく普通の日常を描くことで見えてくる感情の悲喜交交が素敵。2020/10/18