出版社内容情報
生誕150年・没後50年を迎える指揮者の神様の総特集。貴重な対談、座談会、インタヴュー、論考、エッセイ、CDガイドまで。
河出書房新社編集部[カワデショボウシンシャヘンシュウブ]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジャズクラ本
15
◎のっけから山田耕作で先制パンチを食らった。山田耕作といえば音楽の教科書に載っている古ぼけて退屈な老人の印象しかないが、ここでの文章はまるで違って生き生きと瑞々しい。山田耕作とはこのような人物だったか。。彼に限らずここに書かれているトスカニーニ評はアンチも含めて実に”読みで”があり退屈しない。フルトヴェングラーとの比較論における宇野功芳と佐藤眞の鍔迫り合いなど、我を忘れて読み耽った。この本を読んでいる間中、久々にトスカニーニをかけまくったが、彼の音楽は僕にとってのメートル原器になっていることを再認識した。2020/10/22
trazom
3
面白い記事がいくつかある。一つは、宇野功芳さんと佐藤眞先生が、ベートーヴェンの第5と第9交響曲に対し、フルトヴェングラーとトスカニーニの演奏を論じている対談。フルトヴェングラー神話を打ち砕く佐藤先生の舌鋒が鋭い。二つ目は、渡辺和彦さんの、トスカニーニの「楽譜に忠実」「新即物主義」というレッテルを打ち砕く記事。三つめは、片山杜秀さんによる、トスカニーニは、直線的な一つのスタイルがあるから家元的に後継者がつながるが、フルトヴェングラーは、孤立的芸風であるから受継ぐ者が出なかったという説。みんな、なるほどです。2017/07/24
やま
0
俺が最も好きな指揮者トスカニーニに関する新旧の文章を集めた本。構成上トスカニーニについて体系的に知ることはできないし低レベルな記事がわずかにあるが、ほとんどが興味深く読めた。2018/01/21