出版社内容情報
没後10年、ますます輝きをます「現代詩の長女」の新しい魅力にせまる。谷川俊太郎、井坂洋子×小池昌代、工藤直子、紺野美沙子ほか
河出書房新社編集部[カワデショボウシンシャヘンシュウブ]
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
110
私は詩の鑑賞能力が全くない。だから、こういう本で詩人の神髄を教わるのは有難い。井坂洋子さんと小池昌代さんが選んだ35作の代表詩も懐かしく読む。工藤直子さんや田中和雄さんの思い出話は流石だが、NHKの山根基世アナの素敵な文章が思わぬ収穫。「自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ」…凛とした詩人と呼ばれる茨木のり子さん。だからこそ、死の翌年に発表された「歳月」は衝撃的だった。「詩を公器と思っていた茨木さんが、初めて公器という縛りがほどけて、赤裸に自分のことを書いた」という谷川俊太郎さんの解説に納得。2023/06/25
おさむ
32
後藤正治さんが著した評伝で、素晴らしさを知った「現代詩の長女」茨木のり子さん、今年が没後10年だったんですね。節目に出版されたムック本は知己らとの対談や論考、エッセイが充実し、故人のプライベートな側面がにじみ出ています。「自分の感受性くらい」「寄りかからず」「わたしが一番きれいだったとき」等、社会派詩人の強い言葉は、深い孤独と哀しみから生まれたものだと実感しました。やはり詩は言葉のもつ力というものを教えてくれます。2016/09/05
とよぽん
30
茨木のり子さんの人柄、作品の魅力などを多面的に紹介している貴重な「文藝別冊」。茨木のり子未刊行アンソロジー、いろいろな方のインタビューやエッセイ、論考、対談選がこの1冊にギュッと収められている。金子光晴、河津聖恵、沢知恵、細見和之などの作品を読んでみたい。2019/09/28
りえこ
26
大好きな茨木のり子さんの特集。又、茨木さんの詩をたくさん読みたくなりました。2016/10/31
井上裕紀男
25
詩を知らぬのに、いきなり詩人についての本に挑んでしまいましたが、最終的に茨木氏へ興味津々。 山根基世氏のエッセイ、紺野美沙子氏のインタビューが勝手なイチ押しです。「自分の感受性くらい」も良いけど、「行方不明の時間」「ひかる」「さくら」「鄙ぶりの唄」もグッときます。 いつのころからか、民俗のことばと民謡の大切さを忘れちまったんだなと。私もです。学生の時に見た詩がどれもピンと来なかったので、今からでも詩に触れていきたい。 掲載されているモノクロ写真がいわんや美しいです。2021/06/01