出版社内容情報
『生きがいについて』を著し「人生の意味」を見つめ続けた一人の精神科医。その人生と業績をやさしく紐解く。生誕100年記念企画。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょ
4
神谷さんは、私をいつも圧倒する。生き方や暮らし方、考え方を振り返させられる。いい加減な、楽な方へと流される自分が恥ずかしくなる。けれど神谷さんの文章は、説教や上からの教えではなくて、こういう文は、日頃から自己を見つめ、けれど周囲への包容力があるから書けるのだなあという、癒しに満ちている。心に残る文章を記憶したいのだが、ムリな私は、次々と神谷さんに関する本を借り、買ってしまう。多分誰にでもある「なぜ私ではなくあなたが」という思いから生じる謙虚さで、周囲に役立つことをして生きていくことを考えさせられる。2015/01/17
kiriya shinichiro
3
ちょっと微妙な本かな……最初に読む神谷美恵子はこれじゃない方がいいです。みすず書房の全集で、日記あたりからとかをお勧めしておく。たとえばウリになってる、野村胡堂の長男とのエピソードは肩すかしな上、名前は「和彦」なの、「一彦」なの、どっちなの? 何度も見返しちゃったよ。これは校正の責任。長島愛生園に関する記載が読みどころかな……美恵子さんが、光田健輔の様子を活写していて、そこに潜んでいる時代の醜さをあらわにしている。彼を一方的に責めてはいけないというのは簡単だけど、彼にそうさせた人々は糾弾されるべきでは。2018/04/22
gontoshi
1
神谷さんの違った面を知る事が出来ました。2020/12/14
かわけい
1
定年退職して毎日をブラブラ生きている自分はこのままでいいのか。生活するだけなら年金とわずかな預金で何とかなる。しかし、それで生きているといえるのか?誰かの役に立っているのか、社会は私を必要としているのか。本や映画を見たり、街を探訪しながら軒下に置かれた草花を楽しみ疲れたら公園で一休み。週に一度はテニススクールで汗を流している。私にしたら出来すぎの人生の放課後である。「私に代わって地獄の責め苦を悩みぬいてくれている人がいる」のだろうか?金も才能もない私がすべきことは何だろう。このままでいいという声もするが2016/06/07