感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
8
『小林秀雄全作品』を読む前の屈伸運動のつもりで読んでみた。「はじめての/来るべき読者のために」と副題になってはいるが、大体の執筆者が小林秀雄体験をした読者を前提にしてるような感じだったので、逆に変な読書姿勢を植え付けられないかヒヤヒヤしつつ読んだ。それでも秋山駿さんからは「論理は文章間の繋がりを保証する安心安全なものではなく、論理で突き進めば身を滅ぼすようなゾッとする怖いもの」、石川忠司さんからは「文芸批評の対象であるべきは鑑賞者が作品から抽象する作者の非現実的だが実在的な像である」という認識を教わった。2015/10/05