出版社内容情報
「田舎医者」と訳されていた短編を訳出・分析、作品に刻まれた時代の刻印を明らかにし、カフカの重層的作品世界を描く画期的論攷!
樋口 大介[ヒグチ ダイスケ]
著・文・その他
内容説明
『或る地域医者(田舎医者)』の新訳・詳細な注解により、カフカ作品の重層性と隠されたメッセージを読み解く。第一次世界大戦前夜、“ドイツがロシアに宣戦を布告した”とカフカは日記に書きつけた…『或る地域医者』の一語一語を精緻に読み解くことで、作品世界の中にひそむ、ドイツ帝政の崩壊と社会民主党=SPDの人間模様を浮かび上がらせる。カフカのユートピアの行方、重層的なテキストに隠されたメッセージを解き明かす画期的な書!
目次
第1章 ドイツ帝国議会―一九一四年八月四日
第2章 『或る地域医者』の翻訳と注解(旅、目前に迫っている;一〇マイルとハインリヒ・フォン・クライスト『聖ドミンゴ島の婚約』;女中;開けっぴろげな、目の青い顔;馬、サーカス、曲馬団 ほか)
第3章 ペンテジレーア!僕の花嫁!君は何をする?これが君の約束した薔薇祭なのか?
著者等紹介
樋口大介[ヒグチダイスケ]
1943年新潟県生れ。東京大学独文科修士課程修了、国学院大学名誉教授。ドイツ近代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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