Pan-exotica
天守物語

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  • サイズ A5判/ページ数 75,9/高さ 22cm
  • 商品コード 9784309920955
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C0071

出版社内容情報

鏡花戯曲の代表作『天守物語』を日本語・英訳収録。それぞれの挿絵を山本タカト、宇野亞喜良がイマジネーションを駆使して競演。

泉 鏡花[イズミ キョウカ]
1873-1939 石川県金沢市生まれ。本名鏡太郎。1890年、小説家を志し上京。1891年、尊敬する尾崎紅葉に入門。主著「龍潭譚」「照葉狂言」「高野聖」「女仙前記」「春昼」「春昼後刻」「婦系図」「草迷宮」「葛飾砂子」。1939年9月7日、肺腫瘍のため永眠。

宇野 亜喜良[ウノ アキラ]
1934年生まれ。戦後日本を代表するグラフィックデザイナーであり、今なお第一線のイラストレーターとして活動を続ける。描写力に培われた柔らかい線から生まれる女性や少女たちは耽美的で妖艶。近年若者層を中心に注目されている。

山本 タカト[ヤマモト タカト]
1960年生まれ。91?93年にかけ〈浮世絵ポップ〉を試みる。91年〈浮世絵ポップ〉様式を発展・洗練させた〈平成耽美主義〉様式を打ち出し、耽美小説、幻想小説、官能小説、時代小説の挿絵の他、文芸誌や単行本などの表紙絵、広告用イラストを描いている。国際浮世絵学会会員。

内容説明

白鷺城天守に住まう美貌の妖怪富姫と若き鷹匠図書之助との数奇な恋物語を描く鏡花幻想戯曲の最高傑作!妖艶にして不覊奔放な宇野亞喜良挿絵(英語)編と幽艶にして丹誠華麗な山本タカト挿絵(日本語)編を一巻に納めた奇跡の戯曲画集!!100年の時を経て、泉鏡花の銘作が、審美と幻想を極める二大人気画家の競演で現代に甦る!!!

目次

天守物語
本画

著者等紹介

宇野亞喜良[ウノアキラ]
1934年、名古屋生まれ。名古屋市立工芸高校図案科卒業(52)。日本デザインセンターを経て横尾忠則、原田維夫らとスタジオ・イルフイルを設立、その後フリーに。寺山修司の天井桟敷や様々な舞台美術への参加、アンニュイな雰囲気を醸し出す痩身美少女、サイケデリックなボディペインティングなど多彩な表現活動を通じ、このコケティッシュでマニエリスティックなアートスタイルを洗練させ独自の美的世界を築き上げた。日宣美特選(52)、日宣美会員賞(60)、講談社出版文化賞さしえ賞(82)、サンリオ美術賞(89)、赤い鳥挿絵賞(92)、日本絵本賞(2008)、全広連日本宣伝賞山名賞(2013)、読売演劇大賞選考委員特別賞(2015)など受賞

山本タカト[ヤマモトタカト]
1960年、秋田県生まれ。東京造形大学絵画科を卒業(83)。商業イラストレーターとして仕事をはじめるが、耽美世界の追求に没頭していく。“平成耽美主義”を標榜した処女作品集『緋色のマニエラ』で鮮烈なデビューを飾り(98)、以後彼が生み出すエキゾチックな独自の幻想絵画群は大きな反響を呼ぶことに。耽美小説、幻想小説、官能小説、時代小説などの装幀画・挿絵を中心に活躍しつつ、近年は物語性から離れた大型のイコン的な創作絵画にも領域を広げ、国内のみならず海外の作品コレクターたちの間でも高い人気を博している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiha

30
「泉鏡花文学賞」ちゅうのをときどき見かける。でも、泉鏡花作品そのものは、絵本『化鳥』しか読んだことがないので、ちゃんと読んでみたかった。山本タカトの挿絵が美しく耽美的なので、脚本と言えど読み易かった。姫路城の五重(って、あったかしらん?)なる異界に住む富姫と若き鷹匠の姫川図書乃介の恋の物語。妖艶な雰囲気がたっぷり。舌長婆のグロテスクな様は、悪夢となりそうな気配があったけれど、大丈夫だった(←怖がりの人)。三島由紀夫が好んだとか、玉三郎が歌舞伎で演じたとか、納得の内容だった。2018/11/13

ベル@bell-zou

27
日本語編を山本タカトの端正で華美な挿絵を、英語編を宇野亜喜良の幻想的でエロティックな挿絵を、それぞれ堪能。といっても英語編は本文読まずだけれども。宇野版・朱の盤坊にホビット的な愛嬌を感じるのは洋風に寄せた結果かな(笑)。物語の雰囲気に合っていて素敵だなと思うのは山本タカト版。改めて物語を読んでみたら、富姫のお土産はすっかりその場で食べたと勘違いしてたことに気付いた。そして唐突に現れる桃六爺にはやはり今度も納得いかないなぁ。2020/08/14

ひろ

20
初めて読む泉鏡花。戯曲は読みづらい印象を持っていて避けていたが、今作においては全く気にならなかった。古典とは思えない瑞々しい情景。加えて美麗な山本タカト氏の挿絵。各場面が描かれており、まさに舞台を見ているかの様。英訳も収録されており、そちらの挿絵は宇野亞喜良氏が担当。メルヘン色が加わって新たな一面を感じられる。挿絵の本画もカラーでまとめられており、隙のないつくり。この作品から泉鏡花に入れたのはとてもよかった。大切にしたい一冊。2018/06/23

いやしの本棚

14
鏡花の描く妖恋の絢爛と悲哀。美しすぎて気絶しそう。「帰したくなくなった、もう帰すまいと私は思う」、女が男に言うところが最高。この本はとりわけ、鏡花の夢幻と山本タカト氏の幽艶とが渾然一体となって、ページを繰るたび、くらくらがとまらない。同じく山本タカト氏挿絵の『草迷宮』と併せ読み、天才絵師の連作「泉鏡花」の世界を楽しみたい。2016/09/10

chatnoir

11
泉鏡花の妖艶な世界が大好きで、更に耽美なお二人の挿絵が付いていたらもう、最高!ただ、お値段が(笑)今年は姫路城の天主閣が見られて良かった。2016/12/11

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