真夜中の北京

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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309920610
  • NDC分類 936
  • Cコード C0097

出版社内容情報

日中戦争勃発前夜に起きた元英国領事令嬢殺人事件の謎を資料を駆使して解き明かす。英米二大ミステリ賞ノンフィクション部門受賞作。

【著者紹介】
1966年英国生まれ。上海在住の中国近現代史の専門家。大学で歴史、経済、中国語を学んだ後、グラスゴー大学で経済学修士号取得。ビジネスアドバイザー&アナリストとして中国情報を寄稿。著書多数。

内容説明

1937年の冬、日中戦争勃発の前夜、北京の公使館区付近で元英国領事の令嬢が惨殺された。迷宮入りとなったこの身の毛もよだつ殺人事件の真相が、七十数年の歳月を経て、当時の捜査資料から解き明かされる。ノンフィクションミステリーの傑作。英米二大ミステリー賞・受賞作!CWAゴールド・ダガー賞、英国推理作家協会・ノンフィクション部門。MWAエドガー賞、アメリカ探偵作家クラブ。

著者等紹介

フレンチ,ポール[フレンチ,ポール] [French,Paul]
上海在住の中国近現代史の専門家。エコノミストおよびアナリストとして、主に中国経済に関する記事を、世界の英字専門誌に多数寄稿している。大学で歴史、経済、中国語を学んだのち、グラスゴー大学で経済学の修士号を取得

笹山裕子[ササヤマユウコ]
上智大学外国語学部英語学科卒業。銀行や翻訳会社に勤務したのち、フリーの翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

61
300ページ程度の本で左程長くはないが、内容は非常に充実した一冊だった。1937年、日中戦争勃発前の北京で、英国領事の娘が惨殺された事件を追った物語、時代背景も史実で、殺人も実際に起こったノンフィクションミステリー。そんな長さなので幅広い展開はなく、事件の捜査に限定されるが、北京を舞台に英国人が捜査するという状況が新鮮で、当時の中国の置かれた対外的な関係も知ることができて興味深い。実際の事件に基づいたラストも、物語に独特の余韻を持たせ、より深いものにさせていた。2016/05/24

ばんだねいっぺい

30
1937年の北京で起こったある一つの殺人事件についてのノンフィクション。彼女の行動が露になる様子では、ツイン・ピークスを連想し、ある男の行状が判明するにつれ、疑惑の目はそちらへ向かうが、、、特殊状況で、その行方はという。2022/12/28

かもめ通信

20
1937年1月8日、まだ夜が明けぬ北京の街で、若い女性の惨殺死体が発見された実在の迷宮入り事件を追ったこの物語は、スリリングなミステリであると同時に、孤独な少女と彼女の父の物語であり、さらにはエキゾチックな雰囲気を携えた戦争前夜の北京の物語でもある。2ヶ月にわたって開催してきたやまねこ翻訳クラブ20周年記念読書会の最後を飾るにふさわしい骨太の作品だった。2017/11/30

むらさきめがね

20
メインテーマは英国人女性の惨殺事件の解明とのことですが、ごめんなさい、そちらより時代背景の濃厚な描写に思いのほか感銘を受けまくった次第です。当時の時代背景は中国国内でもフィクションとして人気の題材で、特に反日要素を絡めて上海租界を舞台にしたものは数多く見てきましたが、北京租界とその周辺をここまで綿密に描いたものは初めて読んだかもしれません。非常に、非常に、面白く興味深く読みました。作者に感謝。2016/08/20

sashi_mono

10
膨大な資料にあたり緻密な文章で構成された本書は、確かに読み応えがあって面白い。だがノンフィクションと謳う割には、現実感はどこか乏しい。ミステリー仕立ての作風だけに、あえて現実との接点を確保しておく必要があったのではないだろうか。事件から歳月が経ち、当時を知る者が少ない時代背景を鑑みると、執筆動機や調査過程を本文に織り込んでいった方が、読者の視点が定まり、歴史を掘り起こしてゆく手ざわりも同時に伝わったのでは、と思えてしまう。読後の印象が妙に淡白に感じられるのも、そのあたりに理由があるのかもしれない。2018/03/28

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