- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 浮世絵・絵巻・日本画
内容説明
聖なる天蓋ははるか古に崩落した。科学技術の現代神話も今は潰え、日常世界はその自明性を喪失した。一切の浪漫と郷愁を排し、グリザイユの怜悧な筆致で現代都市の廃墟像を幻視し続ける元田久治の第一作品集。
著者等紹介
元田久治[モトダヒサハル]
1973熊本県出身。1999九州産業大学芸術学部美術学科絵本専攻卒業。2001東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻(版画)修了。2009‐2010文化庁新進芸術家海外研修制度研修員(オーストラリア、アメリカ)。2009第77回日本版画協会展準会員優秀賞(FF賞)(東京都美術館)。その他、受賞歴多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梟をめぐる読書
4
歌舞伎町が、渋谷が、秋葉原が、六本木ヒルズが、雷門が、皇居が、東京タワーが、羽田空港が。亀裂の走り、色のくすんだ無人の廃墟として、私たちの前に立ち現れる。それは現状の「フクシマ」の光景に、あまりにも似すぎているだろう。だがしかし、「終わりなき日常」という現代の「神話」に惑わされず、このようなイメージをもう7年も前から表現し続けてきたという作者の予見性と慧眼をこそ評価したい。2011/09/17
蘇芳
0
同じ時期に震災の本を読んでたせいか、ずどーんと腹にくる画集だった。頭にある大惨事を思い起こさせる構図が恐ろしい、いつかくる首都直下もこうならないといいね。2016/08/24
鯨、或は山田
0
東京幻想よりも好き。なんだろう、版元のカラー故にか。編集の仕方か。迫力か。2015/06/27
っっぃ
0
息をのむリトグラフ作品
So Honda
0
廃墟となった渋谷、銀座のリアルな空想画。描かれたのは震災前だが、この画集が出版されたのは2011年の夏。解説やあとがきに、想像を超えた現実に表現としてどう向き合っていくかという当時の葛藤が少しだけ言及されているが、そのごどう折り合いをつけていったのだろう。2018/12/26