内容説明
主人公ベン・ホープは、かつてはSAS(英国陸軍特殊空挺部隊)の命知らずの隊員だった。しかし今では誘拐された子どもたちの救出に心血を注いでいる。仕事のない日は、海辺にある邸宅で家政婦と静かに暮らす。一家を襲った過去の悲劇に苦しむ彼にとって、海と孤独と酒だけが変わらぬ友だ。ある日、ベンは年老いた富豪から、死にかけている子どもを救う古い手稿を探しだして欲しいと依頼される。その手稿とは、伝説の錬金術師フルカネリが書いたものだ。手がかりを求めて、ベンはアメリカの生物学者ロベルタ・ライダーを訪ねる。その女性とベンが仕事に着手すると同時に、つぎつぎと恐ろしい事件が勃発する。闇にひそむ邪悪なものが牙を剥いた。手稿の秘密を追って、ベンとロベルタは南フランス、古いカタリ派の本拠地ラングドックに潜入する。聖地レンヌ・ル・シャトー。そこには、何世紀もの間、隠されていた秘密が眠っていた。
著者等紹介
マリアーニ,スコット[マリアーニ,スコット][Mariani,Scott]
1968年、スコットランドに生まれる。オックスフォード大学で現代英語を専攻。作家になるまでは、翻訳者、プロのミュージシャン、射撃のインストラクター、フリーランスのジャーナリストとして働いていた
高野由美[タカノユミ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そばかす♪
25
主人公ベンは人生に影を落とす過去のある出来事に囚われていた。その影響で居なくなった子供の捜索や誘拐事件などの解決に力を注いでいる。そんな彼にとある依頼が舞い込むのだが、それは中世の錬金術に関わるおとぎ話のような事で・・・歴史の謎とアクションとロマンが混ざり合った、私好みの筋立てでした。が、翻訳の所為もあるだろうけれど、ん〜、所々都合良過ぎたり流れとして悪かったりな部分があって、読むのにいちいち時間が掛かった。デビュー作という事で甘めの採点にして、次作モーツアルトの謎に絡んだこのシリーズを読んでみる。2015/01/12
Richard Thornburg
14
感想:★★★★★ 本著者作品は初読でしたが無条件に楽しめました。 主人公は過去に傷を持つ元SAS隊員で、愛用の銃はブローニング・ハイパワー! アクション&ミステリー&サスペンス&ロマンスってことですが(笑)かなりいいバランス配分ではないかと思います。 個人的にはアクション&歴史ミステリー色を濃く感じられたので大満足です。 20世紀最大の錬金術師であるフルカネリの名が出てきたのと、WWⅡの話ではNAZI(ルドルフ・ヘス)絡みなどのサプライズ満載。 本シリーズは読み続けていきたいと思います。2015/05/02
Panzer Leader
9
まるで映画を見てる様な気分になれる作品。過去のトラウマを抱えたSAS出身の凄腕主人公がアクションと謎解きに活躍するけれども、内面の描写に重きを置いていないので、場面展開や話の繋がりが時々アレッ?となる場面があった。しかしながら錬金術師のフルカネリやカタリ派の悲劇などを使った仲々面白い歴史アクションミステリーでした。2015/05/30
ハッチ
9
★★★★★元イギリス特殊部隊の主人公が錬金術の謎に迫るストーリー。ラングトンシリーズに似てて、さらにハードボイルドを足した感じ。最近歴史小説ばかり読んでいたので、新鮮で凄く面白かった。オススメ。2014/08/06
RIN
9
英国特殊部隊出身の捜し屋ベン・ホープが主人公の5部作第一作目。初読みの英国人作家。映画『ナショナル・トレジャー』っぽい。昨今お約束の「『ダビンチコード』の謎解きとトム・クランシーばりの機動力」という、アクションと歴史ミステリの混合サスペンス、といったところかな。訳文のせいかスピード感やテンポの良さには欠けるのが残念なところだが、ちょっと屈折したイギリス人らしい人物描写は興味深い。イギリスで映画化されることが決まっているらしいので、派手さはないけれど、映像がスタイリッシュなイギリス映画版が楽しみ。2011/09/28