内容説明
「田本」と呼ばれて親しまれた田中家は、江戸後期から幕末明治期にかけて、北信濃の外様小藩・須坂藩を舞台に活躍した藩御用達の豪商であった。千曲川沿岸を黄金に染める菜の花。豊かな水力に恵まれた須坂で精製された菜種油は田中家の手で江戸に運ばれ、八百八町の夜を照らした。御用金調達拒否に端を発した藩との攻防に、お家取りつぶしにもなりかねない大胆な策に打って出た田中家―。小藩の御用達商人として生き抜いた豪商の姿を通して、商人の理想像や改革者のあり方などを、江戸後期の思想・文化を踏まえながら鮮やかに描き出す。
著者等紹介
酒井篤彦[サカイアツヒコ]
1946年(昭和21)、岡山県に生まれる。県立高梁高校から東大法学部へ進学。卒業後、東京で弁護士となり、法律事務所を開く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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