内容説明
ドールスペース・ピグマリオンを主宰し天野可淡の創作を支え、球体関節人形の新しい地平を切り拓いてきた吉田良の代表作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
112
吉田氏の人形も故・可淡さんの人形も口角が下がっているのが特徴。そしてそのファッションも退廃的であり耽美的。人相学からいくと上唇は与える愛、下唇は求める愛を表し、厚みがあるほどその願望が強いと言われているので、彼女達はみな愛を渇望しているってことになる。淋しく悲しげに映るのはやはりこの口元のせい。そして何かを悩んだり我慢しているように見えるのは眉を含む目元の表情が儚げなせいだろう。でもだからこそ魅力があって惹き込まれるのだ。何も言わず、何も言えず、一点をみつめながら多くを物語っているから。 2014/05/20
はむだらい
2
何かを言いたげな人形たちが写っている。ついつい見入ってしまい、半日近く経ってしまっていた。口元が魅力的だ。不気味だと嫌厭されがちな分野であるが、実際そんなことはない。図書館に1冊くらいならこの人の作品集があるかもしれないし、一度でいいから見てみて欲しいです。2013/03/22