内容説明
私、私、私と簡単に口走るな!今、ここの事態とのみ短絡せよ!写真はいつから原初の驚きを捨てて、予定された観念のアリバイ工作としての挿図になり果てたのか。収拾不能な「次元の差異」を抱え、訳の判らない、途方もないものでありながらも、過剰なまでの透明性を備えてもいたメディアであるはずの写真。それがいまや、主題に関する調査結果の披瀝の場としてのみ、流用されているかのようだ…。
目次
1 写真使用法(写真のように書く;写真使用法 ほか)
2 写真家の方へ(真実の手―ロバート・フランクの「言葉」について;PRIVATE GIFT―荒木経惟の日記 ほか)
3 写真の権利について(殺風景のハードコア―金村修「Keihin Machine Soul」;写真という乗物―吉増剛造の写真のための二十の断章 ほか)
4 Direct Mails―写真論以後(作者の位置;ファック・ライフ―セルフ・ポートレイト異論 ほか)