内容説明
探偵小説という形式にアメリカ文学のすべてを叩き込み、明滅する歴史にアメリカの希望と悲劇を描ききる、野崎六助のライフワーク。作家=探偵=ヒーローの遍歴に帝国の彷徨を透視するその視線は、二十世紀極東の運命をも照らし出した。アメリカニズムの底に降り立ち、百年の夢を救出する比類なき大著。
目次
プロローグ パサージュとしての探偵小説論
序章 鯨の腹の中に
第1章 文芸復興・1913年
第2章 戦争は国家の健康法である
第3章 世界一周
第4章 時と砦について
第5章 合州国における戦争
第6章 悲劇の社会学
第7章 わが愛しき妻よわが鳩よ
第8章 エレクトリック・レディランドを見たか
第9章 アメリカの闇の奥で
エピローグ 湾岸から遠く離れて