内容説明
アートとポリティクスを横断する写真家・評論家が、ベルリンの壁崩壊や東欧革命を挾むヨーロッパの歴史的激動の渦中でさまざまな作品や事件と遭遇しながら、イメージと現実の関係を注視しつづけた批評的フィールドワークの軌跡。転換期を迎えた「写真」をめぐる思考と、美的・政治的判断の再構築は、その後の著者の幅広い活動の原点となった。貴重な参考図版も多数収録。
目次
1980年代のオン・ザ・ロード
薄暗い部屋で―ドガとフォーコン
記録性と劇場性―クーデルカ一九六八‐八八、ジャム‐一九八八
新しいモデルニスモ―カタルーニャ写真フェスティヴァルから
一九世記への旅―オルセー美術館所蔵作品展
写真スペクタクル―第十九回アルル国際写真フェスティヴァル
写真の「再解釈」―第一回ロッテルダム写真ビエンナーレ
歴史と日付―一九四八年展、ジャーン展、フェノア展
写真に占領された都市―第五回パリ写真月間を見る
ルポルタージュはどこへいくのか〔ほか〕