Kawade mystery
ポドロ島

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309801094
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

ヴェネチア沖の小島にピクニックに出かけた男女が遭遇する不気味な出来事を描いた表題作、小説家が謎の読者からの手紙に脅かされる「W・S」、奇怪な機械仕掛けの棺が登場、ブラックユーモアに満ちた「動く棺桶」他。心の闇にひそむ妄執を精妙な筆致で描く異色恐怖小説集。

著者等紹介

ハートリー,レズリー・ポールズ[ハートリー,レズリーポールズ][Hartley,L.P.]
1895‐1972。イギリスの作家。オックスフォード大学を卒業、二十代で評論家・短篇作家として出発。第二次大戦後、自伝的長篇三部作『小海老とイソギンチャク』『第六天国』『ユースタスとヒルダ』(1944‐47)で注目を集める。『恋を覗く少年』(1953)は「完璧な小説」と批評家の絶賛を浴びてベストセラーとなり、ジョゼフ・ロージー監督、ハロルド・ピンター脚本で映画化された(『恋』)。その怪奇短篇はしばしば「英語で書かれた最も洗練された幽霊譚」と評される。「ポドロ島」「W・S」「豪州からの客」などは怪奇小説アンソロジーの定番的名作

今本渉[イマモトワタル]
1961年大阪府生まれ。東京大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

41
この作家の話は自身は気づいていない傲慢さがにじみ出ている人々が登場している。その人物の心をささくれ立たせる言動が物語の薄気味悪さを増長させる効果を生み出す。そのため、傲慢な人々が厭なラストを飾っても同じような人々は報いを受けないため胸の裡は晴れない。やっぱり、何度読んでも怖いのは「ポドロ島」。ポドロ島に着いた途端、「愛しているから殺す」という考えに憑りつかれたようなアンジェラの行動のからこの物語の意味を考えると解釈が何通りもできるので余計に混乱します。私にとってこの話は蒸し暑い日に読みたい物語の一つです。2013/08/01

ゆーかり

20
怪奇幻想短編12編。ハートリーは読んだ事があるはずなのだけどどこで何を読んだのか等よく覚えておらず。恐らく再読の「W・S」が一番良かった。あとは「ポドロ島」「毒壜」あたり。理解力と想像力が足りないせいかよく分からない作品が多かった。ハートリーは自伝的三部作の方が気になるのだけど日本語訳は無さそうなのが残念。2019/03/01

紅はこべ

17
ホラーというより、怪奇小説と呼びたい。ラストのつけ方が上手。北村薫お気に入りの「W.S.」なんかが典型的。2008/09/27

MASA123

9
12編のホラー短編集、「W・S」がよかった、この作品は全部理解できたが、ほかの作品は、状況がよく掴めないで、霞がかかったまま。「ポドロ島」は2度読みして内容を理解したが、どいうふうに解釈したらよいのだろうか。他の作品も、正直なところ、わかったような気になろうとする努力がむなしく感じてしまうばかり。「W・S」だけでも、読めたのでよかったのですが、自分には、難解で敷居の高い本でした。 2022/04/03

Ayah Book

8
怪奇小説?なんだろうか。幻想的な雰囲気の物語が多く、古いせいか意味不明な作品も。気に入ったのは「パンパス草の茂み」、「W・S」、「合図」、「愛し合う部屋」。特に「愛し合う部屋」は、ヴェネチアの不気味な白日夢のような描写が、デュ・モーリアの「いま見てはいけない」を彷彿とさせ、とても良かった。2017/06/05

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