内容説明
互いの殺人計画を練る夫婦、謎の行動を繰り返す爆弾男。夜の探偵カーデュラや迷刑事ターンバックルも登場。短篇ミステリの名手が贈る傑作15篇。
著者等紹介
リッチー,ジャック[リッチー,ジャック][Ritchie,Jack]
1922‐1983。アメリカの作家。ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。1950年代から80年代にかけて「ヒッチコック・マガジン」「マンハント」「EQMM」などの雑誌に、三五〇篇もの作品を発表した短篇ミステリの名手。「エミリーがいない」でMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀短篇賞を受賞
駒月雅子[コマツキマサコ]
慶應義塾大学文学部卒業
藤村裕美[フジムラヒロミ]
國學院大学文学部卒業
武藤崇恵[ムトウタカエ]
成蹊大学文学部卒業
好野理恵[ヨシノリエ]
早稲田大学第一文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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空猫
24
相変わらず金のためにバンバン殺されて、やっぱり夫婦が殺意を抱えてますなぁ。どれも楽しめたけれど痛快な犯罪小説「いまから十分間」。似た者夫婦て「フェアプレイ」。話とは別に何かと疑問だったが吸血鬼だったのか。 謎解きが面白かった「カーデュラ…」等が特にお気に入り。『クライム・マシン』も良かったけどこれも良かった。これでリッチー作品三冊読了。2020/10/16
依空
23
15編の短編が収録された、ジャック・リッチー3作目。膨大な数の短編を書かれているので、どうしてもこの設定やオチはあれに似ているような…という話も出てきますが、そこは流石短編の名手と呼ばれた作家。ブラックユーモアの効いたストーリーも、無駄なものを省いたキレのいい文体がもたらすリズム感も、やはり面白い1冊です。今回は「カーデュラ探偵社」が3作入っているのが嬉しいですね。○○○であるカーデュラならではのストーリーが大好きです。他の作品だと「政治の道は殺人へ」「いまから十分間「動かぬ証拠」が好きでした。2014/10/08
ケンタ
12
相変わらずの切れ味鋭い短篇集。どの話も洗練されていて、楽しいです。迷推理で暴走して、いつの間にか真相に辿り着いてしまうターンバックル部長刑事の各短編がお気に入り。2021/06/26
風花
11
引き続きジャック・リッチーの短篇集。こちらもとてもおもしろく一気読みでした。ひとつひとつのストーリーにミステリの醍醐味がぎゅっと詰まっていて、短篇ミステリの名手と言われるのも納得の一冊です。お気に入りはもちろん『カーデュラシリーズ』の3作と、『いまから十分間』『動かぬ証拠』『ダイアルAを回せ』が良かったです。和田誠さんの装丁も本書とマッチしていて◎2017/05/19
くさてる
8
ミステリの短篇集。どれも捻りがあって素直でなくて、面白い。ミステリとしてどうこうよりも、どうしてこの発想に?と考え込んでしまうような奇妙さです。個人的には、読んでいて単に面白いシリーズ物よりも「正義の味方」や「三階のクローゼット」のような、不条理すれすれのような奇妙な後味を残す作品のほうが好みでした。2014/02/04