出版社内容情報
十字軍の真の目的は何だったのか?約700年間に渡る十字軍史を、多様な角度で検討し、その本質を問い直した決定版。
内容説明
すべては贖罪であった。約700年にわたってヨーロッパ・アジア世界を揺るがし、キリスト教とイスラームの軋轢の原点ともされる、世界史上最大級の軍事行動。それは聖戦か、侵略か―新たな研究成果を踏まえ、従来の十字軍観をくつがえす決定版。
目次
プロローグ 「十字軍」とは何であったのか?
第1部 クレルモン教会会議への道のり(批判される「ピレンヌ・テーゼ」―「マホメットなくしてシャルルマーニュなし」;「キリストの騎士」の誕生)
第2部 盛期十字軍の時代(第一回十字軍;第二・三回十字軍とエルサレム王国;報復の連鎖―一三世紀)
第3部 後期十字軍の時代(東方・地中海での覇権争い;混乱するヨーロッパ世界;十字軍の終焉)
エピローグ 盛期十字軍の歴史化と二つの十字軍観
著者等紹介
櫻井康人[サクライヤスト]
1971年和歌山県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、東北学院大学教授。専門は十字軍・十字軍国家史、聖地巡礼史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nat
23
図書館本。難しすぎた。2020/12/05
組織液
16
なかなか新鮮な印象の本でした。諸説あるが〜とは言わず十字軍の終わりをナポレオンのマルタ占領と言い切っているのは驚きましたね。十字軍=対イスラムとするのは古すぎる捉え方なのかもしれません。ヴェネツィアだのジェノヴァだのビザンツだの、そして十字軍達もほんと何やってんだお前らは() 十字軍国家の農村についてのコラムは興味深かったです。登場人物が半端ないのでいつか再読したいと思います。2020/07/04
色々甚平
6
まず最初に十字軍の通説は間違えであり、始まりは宗教戦争ではなかったというところから始まる段階でもう興味を惹かれた。十字軍が想像以上の違う部隊で出陣していたことや、残虐な部隊は人を食っていたというのもショッキングな内容だった。ただ、この話はヨーロッパ史をある程度頭に入れておくと更に楽しめる内容になっていると思う。大まかな関係だけでなく家系の話など細かい話が多くなっていくので、基盤となる知識があればあるほど濃く味わえる。2019/09/19
じゅんた
5
絵画や肖像画、書簡が残っているという事がなんと貴重なことか。絵を見る事で広がる想像がなんとも楽しい。登場人物の多さに頭がぱんぱんになるが、何度も見返したい資料本になりそう。2020/06/21
ピオリーヌ
4
図説と名がつくからにはサクサク読めるものだと思っていたが、見当違いをしていた。文書硬めで登場人物も多く、読み終えるのに苦労してしまった。この本を100%楽しむにはまだ知識が足りないようだ。2019/06/14