内容説明
ジプシーとは誰か、彼らはどこからやってきたのか。文字を持たない民族であるジプシーたちの歴史を辿り、その生活と習俗を探る。世界をめぐる彼らの漂泊の旅を追いながら、ジプシーの真実の姿に迫る。
目次
第1章 ジプシーの旅路を辿って―歴史(インド起源、その出立と言語(ロマニ)の研究
ペルシャ、コーカサス、ドム―七~一一世紀
ビザンチンのジプシーたち―一一~一三世紀 ほか)
第2章 ジプシーの生活と習俗(ジプシーの職業;ジプシーの習俗)
第3章 描き、描かれたジプシー―文学、音楽、映画から(文学の中のジプシー;描写としての音楽、表現としての音楽;ジプシーと映画)
著者等紹介
関口義人[セキグチヨシト]
1950年、東京生まれ。商社勤務ののち、ジプシー研究、音楽評論に携わる。早稲田大学、桜美林大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
犬養三千代
11
被差別の人たちジプシーっていうのがよくわかる一冊。文字を持たないのでその歴史をたどることは困難だが学者センセたちは凄い。インドからの出自と突き止める。鬼平犯科帳のテーマソングがジプシーキングスって!2019/11/09
ジュースの素
8
ジプシーは本来 文字を持たない為、由来や歴史がほとんど憶測でしかないと言う。発祥は西インドのラジャスタン説が有力。数年前にジャイサルメールに行った時、土着の人が奏でる音楽や少女たちが砂漠で誘う踊りや衣装を見ると まさにジプシーの感覚だった。友人がルーマニアにいるが、近隣にジプシー村があると言う。この本を見てもルーマニアには最も多くのジプシーが住む。イタリア南部やスペインでも 現地ガイドにジプシーに注意するよう言われた。まがい物を売り付けたり、金品を盗んだりされるとか。日本では関心が持たれないが 謎の民俗。2016/07/15
カタコッタ
8
音楽をこよなく愛するひとりとして、どうしてもジプシーの音楽を知りたくて読んでみた。おそらく映画『ベニスに死す』でホテルに現れる白塗りの楽師たちもジプシーであろう。物語の展開を予見させる存在感を醸し出していた。サラサーテもビゼーもブラームスもジプシーの旋律と音楽性にやられたことだろう。本書は貴重な写真と今まで語られることの少ないジプシーの現実を分かりやすく書かれている。著者の情熱を感じさせられる1冊である。2015/07/04
天々
5
真面目に難しかった2015/06/02
Carlos
5
故郷がない民族の生き方。2013/10/20