内容説明
原案作成者を含む関係者約50人への綿密な取材に基づいた、戦後日本の原点「日本国憲法」を論じるうえで必読の一冊。
目次
第1章 終戦と憲法改正の始動
第2章 総司令部案の作成
第3章 極東委員会の重圧
第4章 総司令部案の提示と政府案の作成
第5章 帝国議会における審議
第6章 日本国憲法の公布・施行
付章 憲法第九条と文民条項の成立経緯
著者等紹介
西修[ニシオサム]
1940年、富山市生まれ。早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業。同大学院修士課程・博士課程修了(憲法、比較憲法専攻)。政治学博士、法学博士。プリンストン大学、メリーランド大学、エラスムス大学(オランダ)、東南アジア研究所(シンガポール)等で在外研究。駒澤大学法学部助教授、同教授を経て、駒澤大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たか
8
内容はなかなかよくできていますがカラー写真がほとんど無いのがちょっと残念。2015/08/28
禿童子
7
日本の占領開始から現行憲法制定までのいきさつを写真と図をまじえて語る分かりやすく充実した内容で歴史的背景の全貌を把握できた。マッカーサーノートに始まり、松本案の毎日新聞スクープの波紋、GHQの民政局スタッフによる憲法草案作成、極東委員会の影響を排除する画策。著者のケーディスら8人への聞き取り調査によるオーラルヒストリーによって臨場感のある叙述になっている。九条の条文の変遷:マッカーサー→ケーディス(自衛権の留保)→芦田修正とそれに対する極東委員会の反応(文民条項の挿入)が興味深い。憲法関連では必読書かも。2016/05/26
Hachi_bee
2
絵本風の装丁だけれど、高校生くらいが対象だろうかという内容。第6章3「日本国憲法施行」で日章旗と君が代のくだりを読み、国旗及び国歌に関する法律(平成十一年八月十三日法律第百二十七号)などによらずとも、自然に国旗と国歌を愛せる国民でありたいと思った。日章旗の返還を受けた我々は、日の丸に誇りを持ってよいのではないかとも思った。2015/08/25
takao
1
ふむ2021/11/11
muny
1
自民党が憲法改正をなぜ党是にしているかがわかる本。当時の内閣も枢密院も議会も大多数が「GHQには逆らえない。しようがないな」ということで通したのだとわかる。大臣は文民でなければならないとする条項(66条2項)は、衆議院通過後、貴族院審議中に突如政府から追加の申し入れがあったが、それも極東委員会の動きを封ぜんがためのGHQの意向だったそうだ。なんか今も昔もあんまり変わらないなあ、気骨のある政治家はいないのだなあと残念に思った。2012/12/25