出版社内容情報
戦前の主婦たちが当たり前に行っていた「家事」。洗濯板で洗う、布団の綿の打ち返し、たくあんを漬ける、家事の貴重な記録。新装版。
【著者紹介】
昭昭和のくらし博物館館長。元京都女子大学教授。『昭和のくらし博物館』『ちゃぶ台の昭和』『昭和の結婚』など多数。松本家住宅、朝香宮邸など、多くの文化財建造物の家具インテリアの修復復元に携わる。工学博士。
内容説明
昭和戦前の主婦たちが日々、当たり前に行っていた「家事」、家事がもつ豊かな世界を味わう旅へ。洗い張りをする、洗濯板で洗う、布団をつくる、浴衣を縫う。お盆を迎える、お手玉をつくる、漬け物を漬ける、お正月の支度をする。戦後70年を迎える今、あらためて「手しごと」の素晴らしさ、失った家事の貴重な記録を見直す!!
目次
1章 家事の記録(食べものをつくる;着るものと布団;住まいの周辺)
2章 家事について考える(家事からの解放を願って;家事のもつ教育力;これからのこと)
著者等紹介
小泉和子[コイズミカズコ]
1933年、東京生まれ。昭和のくらし博物館館長、家具道具室内史学会会長。工学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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yomineko@猫と共に生きる
69
家事だけで気の遠くなる様な時間が過ぎて行っていた昭和の時代。もっと前はもっと凄そうな😨😨😨電気釜の登場でようやく家事からやや解放。洗濯も掃除も大変。着物は手縫いで洗い張り。これがまた凄い作業!!!でも当時のとても丁寧な暮らしに憧れたりもするけど、現代に生まれてやっぱり良かったなと思う。女性も男性も大変だったんですよね。2022/11/04
ヒロミ
60
「母たちのくらし」とあるが、私にとっては祖母たちの暮らしに近い。現在と違ってコンビニもレンジも洗濯機もなかった時代、一家の主婦たちの仕事はまさに重労働。この作業量をこなして長生きされている明治生まれのおばあちゃんとかすごすぎる。着物の洗い張りに布団作り、料理、季節ごとの衣替え。いやはや、もう一個もかないません。大変すぎ!でも見てると懐かしいだけではなくなんだか興味深く読めた。私は今でも冬は黒繻子の襟付き半纏を着ているのだがもう現代は着ないのか?とちょっとびっくりした。この本のモデルは著者のお母様です。2016/05/08
itokake
9
戦前の家事を記録映画として撮影。この本はそれを書籍化したもの。写真で家事の手順を説明している。主人公は著者の母で明治生まれ、撮影時80歳~82歳、膀胱癌でストマをつけた状態だった。料理、洗濯、掃除、どれもが今とは違う。洗い張りは一冬着た着物をほどいて洗って糊付けして仕立て直すこと。縫うとき、針に糸を通した後、髪の間を通すのは髪の油ですべりよくするため。米をとぐ際、米粒をギュッギュッとこすりあわせるようにするのは、私の父(昭和9年生)もそうだった。水の量は手のくるぶしと教えてくれたのがなつかしい。2021/10/26
ぽん
5
幸田文のエッセイを読んだ時にも思ったけど、昔の主婦は本当に大変だったろうな。それに比べたら私は楽なもんだわ。今の主婦の中には裁縫が苦手とか出来ない人、不器用な人が結構いるけど、昔はそういう人っていなかったのかな?そういう人は“何もできない嫁”とか“役立たず”とか言われて粗末にされたのかしら。それとも今の出来ない人が甘えてるだけで、親に躾られて繰り返していればみんな出来るようになるのかな。娘が家事できない大人にならないようにきちんと教えないとなぁ。2015/10/20
suiu
5
懐かしいです。 おととし無くなったおばあちゃんが布団を作るのを手伝ったり、 柄の位置が気に入らない着物を一晩で直してくれたり。2015/10/09