Kawade道の手帖
尾崎翠―モダンガアルの偏愛

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  • サイズ A5判/ページ数 191p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784309740287
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

目次

第七官界彷徨―「文学党員」掲載の初出原稿(尾崎翠)
全集未収録資料(逸見広への書簡;生活の反映;影の男性への追慕;現文壇の中心勢力に就いて;アンケート回答「この人・この本」欄より)
四十年前の話―薔薇十字社『アップルパイの午後』刊行を巡って(渚順生)
最初の『尾崎翠全集』を出版した頃のアラベスク模様(玉井五一)
『尾崎翠全集』と藤田省三氏と私(田中禎孝)〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みどり

8
やっと高橋武雄の”恋人なるもの”が読めた、が、なんだか「僕はそんな好きじゃなかったが、彼女の精神状態を考えて...」というスタンスにがっかりした。わたしの憧れの人をそんな、しょうがなく付き合った、みたいな扱いをして欲しくなかったな。高橋氏の言い分もわかるが、2人だけの恋の情景が見たかった。まあ、ノンフィクションと小説は違うか。角田光代や今日マチ子など、わたしの好きな人たちも尾崎翠について語っていて、飛び上がるような気持ちになった。好きなものどうしがくっついて、徐々に広がっていく感じがとても嬉しい。2017/01/24

take0

7
「第七官界彷徨」の『文学党員』初出時の再録、薔薇十字社や創樹社の書籍刊行時の編集者の回想記、作家等によるエッセイ、コラム等、尾崎翠をより深く知りたい人に向けた読本という作り。1979年刊行の『尾崎翠全集』の「付録月報」の文章が再録されていて読めたのが嬉しかった。2018/10/24

わんにゃん

4
「こんなに可愛らしい、玩具おもちゃした、それでいてうっすらとデカダンの香りの憂鬱な田園風景」「けれどもこの二十日大根は、根は土中に下ろしていなくても、未成熟のままはをつまめばともかくもおしたしにして食べられるようなので、完全な玩具の国と化してしまった稲垣足穂の田園風景ほどに乖離的ではない。その中間あたり、天上界と地獄の狭間に、ひどく頼りなげに、まるでモビール彫刻のように風と煙のまにまに漂っている。」という種村季弘さんの解説に納得。「あこがれのように切なく、もはや失われたものの記憶のように淡く。」2021/05/23

紅独歩

4
尾崎翠の著作を世に送り出した編集者たちによる「回想 出版の経緯」が好資料。花田清輝によって「再発見」された第七官界の灯火が、消えないように大切にリレーされてきた事がわかって感動的だ。最近のフェミニズム的な読み方は疑問だっただけに、千野帽子氏の一文は嬉しかった。同時代人だった野溝七生子、バトンを渡されたと思しき村田喜代子を再読してみたい。2009/07/06

imyaaka

2
自分は『第七官界彷徨』をただ何度も繰り返し読んでるだけだけど、それぞれ惹かれた人がいたから埋もれかけた作品が読めているんだなあ。 少女漫画を読んでるわけではないけれど、当時の少女漫画論争はもう意味をなさないのかもしれないなと思った。2020/12/31

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