目次
中島敦入門 帝国に抗する力を表現した作家
新しい中島敦(外部;狼疾 ほか)
中島敦の愉しみ(中島敦氏のこと;格調高い古典的な文体で奏でられる近代人の内面の音楽 ほか)
中島敦論集成(作家の狼疾―中島敦『わが西遊記』を読む;中島敦、その世界の見取図 ほか)
中島敦アンソロジー(小説;翻訳 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
9
福永・池澤父子の語り口の違いとか、吉田健一が敦に会った時のエピソードとか、眠れぬ夜に「文字禍」を読んだ開高健の高笑いとか。2019/05/25
うえ
9
中島敦の「山月記」「文字禍」「牛人」が収められている。山月記以外は初見。文字禍はなかなか身につまされる作品。文字を見続けゲシュタルト崩壊する直前までいきそうになる老学者の話。といっても当時の書物は粘土板なのであるが。「一つの字を幾日もじっと睨み暮した時以来のことである。其の時、今迄一定の意味と音とを有っていた筈の文字が、忽然と分解して、単なる直線どもの集まりになって了った」2018/07/12
hozuki
1
中島敦展に行ったのを機に、手にとった。やっぱり中島敦の文章や短歌は難しいと感じる。この人は、毎日目にするあれこれを深く考え、心に響かせることができる人なんだなあと思った。短い人生だが、長く感じたんじゃないかなと勝手に想像しました。私も、彼の作品に触れるたびに、以前読んだときの自分との違いに気づくことができます。これが生きてる感覚でしょうか。他作品にもまた出会えるのを楽しみにして。2020/02/28
原玉幸子
1
色々な作家が中島敦の書評を寄せ、巻末に同氏の作品が載っているとのアプローチ(構成)は、考察と実感があり良いです。日野啓三氏による中島の詩的且つユーラシア人としての視点の箇所は面白い解説でした。(◎2016年・春)2020/01/11
Auristela
1
良くも悪くも素養あるマイナーポエット中島敦の寄せ集め論集。2013/10/06