目次
四人の中井英夫による単行本未収録作品（屋漏（緑川弓雄）
朝ごはん（碧川潭）
人魚姫（塔晶夫）
青みどろ（塔晶夫）
草の沈黙（中井英夫）
少女密偵団殿（中井英夫）
少年とカメレオンの話（中井英夫）
遺稿・怨（中井英夫／竹中英太郎・画）
詩 棘（中井英夫））
中井さんのこと（妄想対談 『虚無への供物』―妄想と現実と（三浦しをん×本多正一）
特別対談・中井英夫の志を受け継いで―その人々に（戸川安宣×東雅夫） ほか）
塔晶夫は語る―『虚無への供物』を巡って（対談・「虚無」という美酒に酔って（皆川博子×津原泰水）
中井英夫インタビュー・塔晶夫は語る―『虚無への供物』を巡って）
エッセイ
論考
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
18
このＭＯＯＫに執筆している人達は、『虚無への供物』という小説に魅せられ、打ちのめされた人達ばかりだ。このたった一作の小説が、中井英夫の名を高め、始終中井につきまとうことになったのは、中井にとってひとつの悲劇だったのかもしれない。中井英夫イコール『虚無への供物』というふうに。しかし、それはいたしかたないことだ。それほどまでに、『虚無への供物』という小説が、巨大であり、華麗であり、未曾有であり、つまりはこの世に存在するたったひとつのミステリー小説であるのだから。2009/07/09
有理数
14
中井英夫がどれだけ凄まじい存在感を持った人だったのか、そういうものがいろいろな角度から見えてくるような一冊。作家としてもそうですし、文壇における様々な影響を考えると「ああ、中井英夫が文学の世界にいてくれて本当によかったなあ」と思います。現在私たちがすごく楽しくミステリや幻想文学を読めているのは、中井英夫の力がものすごく大きいのだということです。私も三浦しをんさんにならって中井英夫の聖地探訪みたいなことしたいなあ。今後も『虚無への供物』には幾度となく向き合おうと思いますし、他の作品もできるだけ読みたいです。2015/04/25
しろ
8
☆７ こんなにも人の心に影響を与えて、人の言動すら呪縛してしまうような人物はなかなかいない。このムックで、中井英夫の小説家としての顔以外をみることができて、人間らしさもみられたけど、そこはかとなく漂う人外の馨りが印象深い。彼は、現実と幻想の間の存在を体現していたようだった。なんといっても『虚無への供物』が至高だけども、エッセイなど、全てにおいて読みたいと思えたのでいつか全集を買いたいと思う。彼にはもう会えないけど、せめて彼を知っている人に会いたいな、とまで考える。2011/09/04
kobaken
4
三浦しをんさんの氷沼邸探訪が楽しかった。東京にいた頃、私も行ってみればよかったと後悔しきり。久しぶりに「虚無…」再読してますが、他の作品も改めて読んでみようと思います。2011/05/08
Koki Miyachi
2
独特の立ち位置にある作家中井英夫のクロニクル。文学関係者をはじめとする幅広い方面からの寄稿や対談が充実、未発表原稿など盛りだくさん。早速『虚無への供物』を発注。早く再読したい。2023/07/01
