出版社内容情報
西欧文学を学び、日本の古典に赴いた知の作家たち。豊かな言葉をもって巧みな手法と仕掛けで物語を紡ぐ。堀辰雄「かげろうの日記」他
堀辰雄:「かげろうの日記」「ほととぎず」
福永武彦:「深淵」「世界の終わり」「廃市」
中村真一郎:「雲のゆき来」
【著者紹介】
(1904~1953年)東京生まれ。東京帝国大学国文科卒業。『風立ちぬ』など愛や生死をテーマに作品を書く。他にフランス文学の影響を受けた『菜穂子』、日本の古典を題材にした『かげろうの日記』などがある。
内容説明
「蜻蛉日記」を元に、美しくしなやかな文体で女性の繊細な心の内面を描いた堀辰雄「かげろうの日記」と「ほととぎす」。放火殺人犯の男と敬虔なカトリックの女性が交互に独白する福永武彦「深淵」、正気と狂気の境に立つ女性の意識の流れが綴られる「世界の終り」、古い運河の町で起こった悲劇的な出来事を描く「廃市」。江戸時代の元政上人の生涯と作品を辿りながら、若い国際女優とその父を巡る旅をすることになった「私」…。時代や性、国を超えて、精神の型を共にする人々を描いた中村真一郎「雲のゆき来」。フランス文学の富が日本文学の普遍へと結実する珠玉の作品群。
著者等紹介
堀辰雄[ホリタツオ]
1904~1953。東京生まれ。一高時代に室生犀星、芥川龍之介の知遇を得、大きな影響を受ける。1926年、中野重治らと同人誌「驢馬」を創刊。29年、東京帝国大学国文科卒業。芥川龍之介の死の影響から、「聖家族」を30年に発表、その後も愛や生死をテーマにした作品を描く
福永武彦[フクナガタケヒコ]
1918~1979。福岡県生まれ。一高在学中から詩、俳句、小説などの発表を始める。1941年、東京帝国大学仏文科卒業。肺結核などで療養所生活を余儀なくされるが、54年『草の花』により作家としての地位を確立。以降、学習院大学で教鞭をとりながら、61年『ゴーギャンの世界』で毎日出版文化賞、72年『死の島』で日本文学大賞を受賞
中村真一郎[ナカムラシンイチロウ]
1918~1997。東京生まれ。東京帝国大学仏文科卒業。1942年、福永武彦・加藤周一らと新しい詩運動「マチネ・ポエティク」を結成し、47年『1946文学的考察』を刊行、ジャーナリズムの脚光を浴びる。『死の影の下に』戦後派作家として認められ、その時自身が名付けたシリーズ名「アプレ・ゲール」は流行語となった。以後、小説、評論、詩、戯曲、翻訳など幅広い分野で活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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