出版社内容情報
思春期の淡い想いが交錯する一葉「たけくらべ(新訳・川上未映子)、上京青年の惑いを描いた漱石「三四郎」と鴎外「青年」を収録。
内容説明
吉原の廓の隣町を舞台に、快活な十四歳の美少女・美登利と、内向的な少年・信如の淡い想いが交錯する、一葉「たけくらべ」(新訳・川上未映子)。東大入学のために上京し、初めて出会う都会の自由な女性や友人に翻弄される青年を描いた、漱石「三四郎」。謎めいた未亡人と関係を重ねる作家志望の文学青年・小泉純一が、芸術と恋愛の理想と現実の狭間で葛藤する、鴎外「青年」。明治時代に新しい文学を切り開いた文豪三人による、青春小説の傑作三作を収録。
著者等紹介
樋口一葉[ヒグチイチヨウ]
1872~1896。東京生まれ。1886年、中島歌子の歌塾「萩の舎」に入門。17歳の時に父の死去により、一家の生計を担うことになる。91年、半井桃水に師事して小説執筆を開始。貧困の中創作された「闇桜」「うもれ木」で注目を集める。94年から「奇跡の14ヶ月」と言われる死去までの約一年間に「大つごもり」「にごりえ」「十三夜」など、この時代に生きる女性の切実な苦悩を描いた作品を次々に発表。24歳の若さで肺結核で死去
夏目漱石[ナツメソウセキ]
1867~1916。江戸生まれ。1893年、帝国大学文科大学(現在の東京大学)英文学科卒業後、1900年、イギリスへ留学。帰国後、日本人として帝大初の英文科講師となる。05年『吾輩は猫である』を発表し注目を集め、07年、教職を辞し朝日新聞の専属作家に。その後の代表作に『それから』『門』『彼岸過迄』『こころ』『道草』『明暗』など
森鴎外[モリオウガイ]
1862~1922。石見国(現在の島根県)生まれ。1881年、帝国大学医科大学(現在の東京大学医学部)卒業後、陸軍軍医副となり、84年、ドイツに留学。88年に帰国後、留学中に交際していた女性エリーゼとの悲恋を描いた『舞姫』を発表し注目を集める。軍医学校長、軍医総監等を歴任の一方、翻訳・評論・創作・文芸誌発行など多岐に亘る分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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