感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bo-he-mian
17
ご存じ、五十嵐大介のデビュー作。アフタヌーン四季賞の「お囃子が聞こえる日」を収録。『はなしっぱなし』というタイトルの通り、奇想のワンアイディアで見せるショート・ショート作品集。漫画に物語性やテーマ、オチみたいなものを求める左脳型の人間向きではなく、とにかくイマジネーションと視覚的快楽を求める右脳型向け。自然観をベースに置く現在の姿勢よりも、奇想のインパクトが勝っている作品群で、民間伝承や都市伝説を想像力で増幅させたようなイメージ。個人的には、龍の死骸が風に乗ってどこまでも漂っていく「ミルラ」の描写が好き。2018/10/10
びびとも@にゃんコミュVer2
5
再読。紛れもなく「魔女」や「海獣の子供」の源流になる話。荒削りだけど、それがその分不気味さや怖さを際立たせていると思う。人魚を買う話し(六花)が怖くてずーっと印象に残っている...。2012/09/08
菊蔵
4
最近の作品を読んだ後にまた改めて読んでみると荒削りなところも感じるが、独特の雰囲気と視点で語り続ける姿勢は今となんら変りはなくすごいなあとため息が出る。まず最初に五十嵐氏を意識したのがこの表紙だったなーと随分前に本屋で出会った驚きがまざまざと蘇った。2012/08/26
南禅寺の小僧
3
呪術的なものものが当たり前のように、写実的な漫画の中に出てくる。デビュー作からブレなし。しかし本当にはなしっぱなしですね。2011/09/02
syun
3
僕たちは今、見えているモノに囲まれていきているが、見えなくなったモノもあるのかもしれない。今は科学によって、自然が自然であること、精霊なんていないこと、これこれ真実らしいということが証明(?)されているが、それだって本当は真実かどうかわからないのだ。僕たちは時代時代に応じて、確からしいことに従い、生きているんだよなあ。2009/09/26